近赤外分光分析法によるマフグの雌雄判別法の開発

タイトル 近赤外分光分析法によるマフグの雌雄判別法の開発
担当機関 島根県水産技術センター
研究期間 2010~2012
研究担当者 内田 浩
井岡 久
岡本 満
発行年度 2013
要約 マフグの雌雄判別を近赤外分光分析法により非破壊で判別する技術を開発した。マフグ生殖腺の水分含量は雌雄で大きな差があり、体表面から生殖線の水分含量を測定することにより、雌雄判別が可能であることを明らかにした。
背景・ねらい 市場で取引される魚の中には、雌雄で価格に大きな差を生じる魚種がある。サケ類は頭部の形状から雌雄判別が可能だが、タラ類やフグ類では外部形態による判断は困難である。そのため雌雄判別を行わず市場に出荷されるため、魚価の向上が期待されない。一方で、肛門に指を挿入して判別する方法も行われるが、その確率は必ずしも高くない。このため、漁業者らからより精度が高く簡易で、魚体を傷つけない雌雄判別方法の開発が望まれている。そこで、マフグTakifugu porphyreusを対象として、近赤外分光法を用いた雌雄判別法を開発した。
成果の内容・特徴 1~3月に日本海西部海域で漁獲されたマフグ47尾(♂15、♀32)を試料とし、体表の模様を基準として生殖腺の表面側3ヵ所(図1:NO.1~NO.3)の近赤外スペクトルを測定した。さらに生殖腺を取り出し水分含量を測定した。なお、近赤外スペクトルの測定にはハンディタイプ測定器(シブヤ精機FQA-NIRGUN)を用いた。

1.測定部位No.1における近赤外スペクトル(吸光度2次微分値)を図2に示す。大部分は雌雄が重なり合い雌雄の特徴は確認されないが、880~920nm及び950の周辺では分離している。測定部位No.2及びNo.3も同様な傾向が見られるがNo.1は明瞭に雌雄の区別ができた。

2.生殖腺の水分含量は、雌の64.1%に比べて雄は84.3%と高くその差は約20%であった。さらに雄の標準偏差は0.41と小さくバラつきが少なかった(表1)。

3.水分含量推定検量線の作成は、スペクトル吸光度の2次微分値と実測値との間で変数増加法による重回帰分析で行った。最も精度が高かったのはNo.1の位置で、2波長を用いた検量線(検量R=0.979、SEC*=1.950、検定R=0.974、SEP**=2.182)であった。実測値と近赤外推定値との関係を図3に示す。
                              *:検量線標準誤差、**:予測標準誤差

4.図3より、体表面からでも生殖腺の上からスペクトルを測定すれば、水分含量75%を基準としてこれ以上を雄、未満を雌として判別が可能であった。
成果の活用面・留意点 1.水揚げ現場、競りの前にマフグの雌雄判別が可能である。

2.測定時の魚体温を揃える必要がある。

3.近赤外分光分析器の機体間誤差の補正が必要である。
図表1 236318-1.jpg
図表2 236318-2.jpg
図表3 236318-3.jpg
図表4 236318-4.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4536&YEAR=2013
カテゴリ 出荷調整 ばら

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる