ミヤコタナゴ稚魚の生息環境のモデル構築と環境改善

タイトル ミヤコタナゴ稚魚の生息環境のモデル構築と環境改善
担当機関 栃木県水産試験場
研究期間 2008~2012
研究担当者 綱川孝俊
酒井忠幸
発行年度 2013
要約 ミヤコタナゴの生息数増大を図るため、稚魚期の生息環境モデルの構築とそれに基づく生息環境改善を実施した。モデルにより、生息環境条件として"適度な水深、遅い流速、水上・水中カバーの存在、二枚貝の生息"が重要であることと、生息地水路の上流部に好適な生息環境が少ないことが示された。モデルに基づき上流部の一部区間で環境改善を実施したところ、改善区で多くの稚魚が観察されるようになった。
背景・ねらい ミヤコタナゴなどの希少な水生生物を長期的に存続させるためには、生息環境の質を高めることが重要である。そこで、減少傾向にあるミヤコタナゴ個体群の生息数増大を図るため、稚魚期における生息環境モデルの構築とそれに基づく生息環境改善を実施し、その効果を検証した。
成果の内容・特徴 ミヤコタナゴの稚魚期の生息環境条件について、一般化線形混合モデルによる分析を行った。その結果、稚魚の生息環境条件として、“適度な水深、遅い流速、水上・水中カバーの存在(抽水・陸生植物等による被覆)、二枚貝の生息”が重要であること、および現状の水路上流部に好適な環境が少ないことが明らかとなった(表1、図1)。その結果に基づき、上流部の一部区間で環境改善(水路底の掘削、杭の設置、二枚貝の放流)を実施したところ(図2)、改善区の生息確率が向上し、多くの稚魚が観察されるようになった(図1)。特に生息数が推定できないほどに減少していた上流部では、環境改善後に推定生息数が90尾にまで回復し、環境改善の翌年には推定127尾に増加した(図3)。

 環境改善により稚魚の生残率の向上と繁殖親魚の増加が起き、その結果、本生息地における生息数が増加したと考えられる。
成果の活用面・留意点 本研究で構築されたモデルは、ミヤコタナゴ稚魚の生息環境評価のためのモデルとしても有効であることから、他の生息地における環境評価とそれに基づく環境改善に活用可能と考えられる。
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研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4568&YEAR=2013
カテゴリ 繁殖性改善 評価法

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