ミャンマーの在来イネ品種に由来する新規いもち病抵抗性遺伝子

タイトル ミャンマーの在来イネ品種に由来する新規いもち病抵抗性遺伝子
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2011~2015
研究担当者 小林伸哉
小出陽平
M. J. Telebanco-Yanoria
福田善通
発行年度 2013
要約 ミャンマー由来の在来イネ品種Haoruのいもち病抵抗性には、3つの抵抗性遺伝子が関与する。このうち二つは、標準判別いもち病菌菌系に対する抵抗性反応が既知のものとは異なり新規のものであり、第12染色体の遺伝子名はPi58(t)、第6染色体のものはPi59(t)である。
キーワード いもち病、判別システム、抵抗性遺伝子、イネ、標準判別菌系
背景・ねらい イネのいもち病の防除には、抵抗性品種の利用が経済的また環境共生的にも有効である。このため、新規のいもち病抵抗性遺伝子をみつけ、育種に利用していくことは重要である。ミャンマーの在来イネ品種のHaoruは多くのいもち病菌菌系に抵抗性を示すので、その抵抗性の遺伝的機構を解明し、抵抗性遺伝子源としての可能性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ミャンマーの在来品種Haoruは、フィリピン産標準判別いもち病菌20菌系のうち、17菌系に対し抵抗性を示す。(表1)
  2. この17菌系を用いた、Haoruと感受性系統US-2との雑種後代集団(BC1F2系統群)の分離分析は、Haoruが少なくとも3種類の抵抗性遺伝子を持つことを示す(データ省略)。
  3. これらのうち、二つは第12染色体と第6染色体にそれぞれ座乗する。(図1、2)
  4. これら遺伝子をホモで持つ固定系統群(BC1F2)(表中に太字で表記)では、当該染色体に抵抗性遺伝子を持つ既報の判別品種(一遺伝子系統群)(表中の名称がIRBLで始まる品種)との反応が標準判別いもち病菌菌系に対して異なることから、これらの固定系統は新規抵抗性遺伝子を持つと言える(表1)。
  5. 遺伝子名は、第12染色体のものがPi58(t)、第6染色体のものがPi59(t)である。
成果の活用面・留意点
  1. 第12染色体のPi58(t)、第6染色体のPi59(t)は、同じ染色体領域に座乗する既存の抵抗性遺伝子とは異なるもののため、新たな遺伝子源として利用できる。
  2. 分析に用いたSSRマーカー情報は、マーカー補助選抜の情報として活用できる。
  3. 遺伝子座の同定が進んでいないもう一つの抵抗性遺伝子については、連鎖解析などさらなる解析が必要である。
  4. Haoruの種子は、国際稲研究所ジーンバンクから入手可能である。
図表1 236343-1.jpg
図表2 236343-2.jpg
図表3 236343-3.jpg
研究内容 http://www.jircas.affrc.go.jp/kankoubutsu/seika/seika2013/2013_B06.html
カテゴリ 病害虫 育種 いもち病 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 品種 防除

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