収量および果形の優れる単為結果性のナスF1品種候補、あのみのり2号

タイトル 収量および果形の優れる単為結果性のナスF1品種候補、あのみのり2号
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 1994~2013
研究担当者 齊藤猛雄
松永 啓
吉田建実
斎藤 新
発行年度 2013
要約 あのみのり2号は「あのみのり」と同等以上の高い単為結果性を有し、着果促進処理を行わなくても果実は正常に肥大する。さらに、「あのみのり」よりも収量性および果形が優れる。
キーワード ナス、単為結果性、省力適性
背景・ねらい ナス栽培においては、着果および果実の肥大安定化のために着果促進剤処理や訪花昆虫が利用されている。しかしながら、着果促進剤処理に要する労力は栽培に要する全労働時間の約1/4~1/3を占めるとともに、訪花昆虫の利用には花粉形成に必要な最低温度の確保が前提であり、生態系への配慮も必要である。これらの問題を解決するために、着果促進処理を必要としない単為結果性品種「あのみのり」を育成したが(2009年品種登録)、収量性がやや低い、栽培する環境条件等によって果形が変化しやすい等の問題が残されていた。そこで、これらの特性を改良した単為結果性品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. あのみのり2号は、「AE-P01」を種子親、AE-P24を花粉親とした一代雑種である(図1)。「AE-P01」は、イタリアから導入したナス品種「Talina」を単為結果性の育種素材とし、「中生真黒」および「なす中間母本農1号」を交配した後代から選抜して育成した品種である。また、AE-P24は「Talina」、「中生真黒」、「なす中間母本農1号」および「千両二号」を育種素材として交配した後代から選抜した系統である。
  2. あのみのり2号は、高い単為結果性を有するため、正常果の割合が高く(表1)、低温期である促成栽培において、着果促進処理を行わなくても商品果の生産が可能である(表2)。
  3. あのみのり2号は、「あのみのり」よりも1株当たりの商品果数が多く、収量性が高い(表2)。また、あのみのり2号の1果重は「千両二号」よりも重く、「あのみのり」とほぼ同等である。
  4. あのみのり2号の果実は長卵形で美しく(表2、図2)、栽培する環境条件等による果形の変化が「あのみのり」よりも少ない。
成果の活用面・留意点
  1. 着果促進処理が不要なため、栽培の省力化が可能である。
  2. 側枝の伸長がゆるやかであるため、整枝の省力化が可能である。
  3. 食味を含む果実品質は一般的な市販品種と同等以上である。
  4. 先行して発表した単為結果性品種「あのみのり」と同様、全国の種々の作型で栽培可能である。
  5. 促成栽培等では、着果促進処理する市販品種よりも収量が低いことがある。
図表1 236514-1.jpg
図表2 236514-2.jpg
図表3 236514-3.jpg
図表4 236514-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2013/vegetea13_s03.html
カテゴリ 育種 省力化 単為結果 なす 品種 良食味

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