疫病・青枯病複合抵抗性台木用トウガラシ品種候補、安濃交1号および安濃交2号

タイトル 疫病・青枯病複合抵抗性台木用トウガラシ品種候補、安濃交1号および安濃交2号
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 1991~2013
研究担当者 松永啓
齊藤猛雄
斎藤新
発行年度 2013
要約 トウガラシ安濃交1号と安濃交2号は、疫病と青枯病に強度の抵抗性を有する。トウガラシ安濃交1号はトバモウイルス抵抗性遺伝子(L遺伝子)としてL4を持ち、安濃交2号は持たない。いずれも、L遺伝子が同種のトウガラシ類の台木として利用できる。
キーワード 台木用トウガラシ、疫病、青枯病、トバモウイルス、抵抗性品種
背景・ねらい 疫病と青枯病は、わが国のピーマン・トウガラシ類の栽培において、大きな被害を及ぼす土壌伝染性病害である。現在、農研機構野菜茶業研究所で育成した「台パワー」などの疫病・青枯病に強度の複合抵抗性を示す台木用品種の普及が進められているが、これらの品種は、トウガラシマイルドモットルウイルス(PMMoV)などトバモウイルスに対する抵抗性遺伝子としてL3を有するため、穂木用品種にL4を持つ品種およびトバモウイルスの抵抗性を持たない品種の台木として用いると、トバモウイルスに感染したときに急激に萎凋する可能性がある。そのため、疫病と青枯病に対して抵抗性を有し、トバモウイルス抵抗性としてL4を持つ品種およびトバモウイルス抵抗性を持たない品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. トウガラシ安濃交1号は、種子親に疫病・青枯病・PMMoV(P1.2)抵抗性品種「台パワー」、花粉親に疫病・青枯病・PMMoV(P1.2.3)抵抗性系統トウガラシ安濃5号を用いて交配したF1系統である(図1)。
  2. トウガラシ安濃交2号は、種子親に疫病・青枯病抵抗性系統トウガラシ安濃2号、花粉親に疫病・青枯病抵抗性系統CBP-3を用いて交配したF1系統である(図1)。
  3. トウガラシ安濃交1号は、疫病と青枯病に強度抵抗性を示し、PMMoV(P1.2.3)に抵抗性を示すL4を有する。台木として使用した場合の穂木用品種「スペシャル」の収量は「台パワー」を台木とした場合や「スペシャル」を自根栽培した場合と同等である(表1、表2)。
  4. トウガラシ安濃交2号は、疫病と青枯病に強度抵抗性を示し、トバモウイルスに対する抵抗性がない。台木として使用した場合の穂木用品種「京鈴」の収量は「スケットC」を台木とした場合や「京鈴」を自根栽培した場合と同等である(表1、表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 穂木用品種にカラーピーマン(パプリカ)などL4を持つ品種を用いる場合はトウガラシ安濃交1号、在来トウガラシなどトバモウイルス抵抗性を持たない品種を用いる場合はトウガラシ安濃交2号を台木に用いる。
  2. 両系統とも、疫病と青枯病に対して強度抵抗性を示すが、病原菌の菌密度が高い圃場での栽培など、条件によっては発病する可能性があるため、土壌消毒など他の防除法を併用することが望ましい。
図表1 236515-1.jpg
図表2 236515-2.jpg
図表3 236515-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2013/vegetea13_s04.html
カテゴリ 病害虫 青枯れ病 カラー 台木 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 とうがらし 土壌消毒 ピーマン 品種 防除

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