ヨーロッパ腐蛆病菌用遺伝子発現ベクターの開発と形質転換法の確立

タイトル ヨーロッパ腐蛆病菌用遺伝子発現ベクターの開発と形質転換法の確立
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2010~2012
研究担当者 高松大輔
荒井理恵
秋山 徹
奥村香世
大倉正稔
切替照雄
小島温子
大崎慎人
発行年度 2013
要約 ヨーロッパ腐蛆病の原因菌であるMelissococcus plutonius 用の遺伝子発現ベクターpMX2を開発し、それを菌株に導入するための形質転換法を確立した。これにより、M. plutonius の遺伝子操作が可能となり、本菌の研究の飛躍的な進展が期待できる。
キーワード ヨーロッパ腐蛆病、Melissococcus plutonius、形質転換、pMX2
背景・ねらい ヨーロッパ腐蛆病はミツバチに無蓋蜂児の死亡を引き起こす感染症で、家畜伝染病予防法において法定伝染病に指定されている。原因菌のヨーロッパ腐蛆病菌(Melissococcus plutonius)は、約100年前からその存在が知られているものの、病原因子に関する情報は全くなく、本病の発病メカニズムについてもほとんど明らかになっていない。また、本菌では遺伝子操作法が確立されておらず、そのこともM. plutonius 研究の進展の障害となっていた。そこで本研究では、M. plutonius に利用可能な遺伝子発現ベクターを開発し、それを菌株に導入するための形質転換法の確立を行う。
成果の内容・特徴
  1. 豚レンサ球菌(Streptococcus suis)が保有する小型プラスミドを基に、マルチクローニングサイト、クロラムフェニコール耐性遺伝子(cat)、S. suis のmalXプロモーターを保有するM. plutonius 内で複製可能な遺伝子発現ベクターpMX2を構築した(図1A)。
  2. pMX2は、表1に示すM. plutonius に最適化された方法で本菌に導入した場合、プラスミドDNA 1μg あたり平均1.76 x 103個の形質転換体を得ることが出来る。
  3. 本プラスミドベクターは広宿主域の複製開始点を保有するため、M. plutonius だけでなく、大腸菌内でも複製が可能である。また、自身のプロモーターが含まれていない遺伝子断片であっても、クローニングサイト上流のmalXプロモーターと順向きに挿入すれば、M. plutonius 内でクローニングした遺伝子を発現させることが出来る(図1B)。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究の結果、M. plutonius に遺伝子を導入し、M. plutonius 内で遺伝子機能を調べることがはじめて可能となった。これらを利用することによって、今後、未だ謎の多い本菌の生理機能や病原因子についての研究が飛躍的に進むことが期待できる。
  2. 作出したpMX2は適切な手続きを踏んだ上で分与可能である。
  3. pMX2はローリングサークル(RC)型機構と呼ばれる方法で複製をするプラスミドである。RC型機構でのプラスミドの複製には、宿主のRecA蛋白質の助けが必要であることが知られている。従って、大腸菌内でpMX2を安定に維持するためには、recA遺伝子に変異がない大腸菌株を宿主として使用する必要がある。
図表1 236570-1.jpg
図表2 236570-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2013/niah13_s03.html
カテゴリ ミツバチ

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