タイトル |
簡単かつ高度な農産物生産工程管理を実現するウエブアプリ「apras」 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2011~2013 |
研究担当者 |
伊藤淳士
村上則幸
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発行年度 |
2013 |
要約 |
本システムは、JA等の生産者団体における農産物の生産工程管理を支援する。本システムにより、生産工程管理情報を簡便に電子化し、それらをサーバ上で一元管理することができる。操作はブラウザ上で行うことができ、スマートフォン等にも対応している。
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キーワード |
インターネット、モバイル、電子化、生産工程管理、ウェブアプリケーション
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背景・ねらい |
安全な農産物生産を行うために、農産物の生産工程管理を厳格に実施することが求められている。これまでに「生産履歴を記帳、管理できるウェブアプリケーション」(2008年度研究成果情報)を開発し、現場への普及を図ってきた。 その後、スマートフォンやタブレット端末などの新しいデバイスが普及し、また、クラウドを中心とした新たなウェブサービスの形態が一般化してきたことから、それらに対応した形でウェブシステムを構築する必要がある。そこで、新たに生産工程管理のためのウェブシステムを開発するとともに、IT機器に不慣れなユーザに対しては手書きによる入力方法を提供することで、多くの人が簡単に利用できるシステムとする。
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成果の内容・特徴 |
- 「apras」(Agricultural PRoduction Assist System)は、JA等の生産者団体における農産物の生産工程管理を支援するシステムである。本システムを利用することで、生産工程情報を簡便に電子化できる。また、電子化された情報はサーバで一元管理され、情報の閲覧、編集等の作業を既存のウェブブラウザ上で行うことができる(図1)。
- スマートフォン、タブレット端末用に最適化されたユーザインタフェースが用意されているため、モバイル環境においてもストレスなくシステムを使用できる(図2)。
- IT機器を使用しないユーザは、専用の手書き帳票を用いることができる。手書き帳票は、画像スキャンデータまたはFax送信データをサーバに送信すると、サーバに組み込まれたOCR機能により自動的に電子化される。電子化されたデータはブラウザ上に表示され、即座にブラウザ上で修正を行い、サーバ上にデータを格納することができる。
- 「apras」は、全作目を対象に、耕種概要、作業記録、生育記録、収穫記録、資材使用記録を標準的な記帳項目として用意している他、簡単なカスタマイズにより農産物の生産工程管理に関わる広範な情報の記録を追加項目として加える事ができる。
- 「apras」は、(社)日本植物防疫協会JPP-NETの農薬データベースを組み込んでいるため、農薬取締法に基づく農薬の使用適否の判定を行うことができる。また、独自の使用基準をあらかじめ登録することで各種の特別栽培における農薬の使用適否の判定を行うこともできる。
- 「apras」は、REST(Representational State Transfer)形式のWeb APIを提供する。そのため、クラウドサービスとして運用することが可能であり、各種クラウドサービスとの連携動作、マッシュアップの作成を容易に行うことができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:JA等の生産者団体
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:北海道内の10~15のJAを手始めに、全国のJAを対象に30箇所以上の普及を見込む。
- 本システムのサーバの運用は利用実施契約を締結した民間企業が行っている。
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図表1 |
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図表2 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2013/13_049.html
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カテゴリ |
病害虫
データベース
農薬
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