タイトル |
農業現場でGPSによらずに無人走行できる車両 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2010~2012 |
研究担当者 |
村上則幸
石山健二
深尾隆則
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発行年度 |
2013 |
要約 |
開発車両は果樹園など障害物の多い現場で自律走行できる。全方位カメラやレーザセンサ(レーザレンジファインダ:LRF)により走行を制御する。制御での横偏差は、全方位カメラによる樹木の周回走行で速度1m/sec設定で20cm、樹列間走行、速度2m/secで30cmである。
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キーワード |
作業、カメラ、LRF、果樹、UGV
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背景・ねらい |
生産者の高齢化や農業人口の減少がすすみ、労力不足が深刻な中、無人車両による農作業支援に期待が寄せられている。そこで市販オフロード車両をベースとし、果樹園のようにGPSが使いにくく障害物の多い条件下でも、自律走行可能な無人車両(UGV)を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- UGVは、商用バギー車(ヤマハ発動機(株)製、排気量:660cc)をベースに操舵、スロットル、ブレーキ、変速の操作を電気的に行えるよう改造し、車両の四隅には非常停止用プッシュスイッチ等を装着している。GPSの他、全方位カメラ(カメラ:Point Grey Research Inc. 製、全方位ミラー:(株)映蔵製)やLRF(北陽電機製、測距範囲:30m、角度:270°)を用いての自律走行が可能である(図1、図2)。
- 開発車両では果実検出用カメラを搭載しての着果数の確認の他、トレーラを牽引しての運搬作業や草刈等が可能である(図1、図2)。通常の有人走行の他、目視確認できる範囲での無線LANを介してのPCによる遠隔操作(非常停止を含む)が可能である(図3)。
- 全方位カメラを用いた樹幹を中心とする周回走行制御はImage based制御により旋回半径と果樹本数のみをあらかじめ設定することで可能である(図3)。制御精度は北農研西洋ナシ見本園(樹間距離約4m)にて、目標旋回半径2.5m、走行速度1m/secの設定で横偏差は約20cm(R.M.S)、樹列間の櫛形走行では、あらかじめ準備した樹木本数及び樹間距離を記述したマップを用いて、速度2m/secの設定で、横偏差は約30cm(R.M.S)である(図4)。
- LRFは障害物回避(図4)に用いるほかに、2本以上の樹幹を検出し位置関係から同定した自己位置を用いての外乱に強い自律走行制御(ロバスト制御)にも利用可能である。
- LRFにより作業者を検出し、作業者追従による協調作業も可能である。後方のLRF(北陽電機製、測距範囲:4m、角度:240°)により検出したトレーラの牽引角度を用いて、牽引状態でのバック自律走行(走行速度0.5m/sで確認)も可能である(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- GPSを利用した制御も可能であり、GPSの利用が容易な生産現場でも活用できる。
- 全方位カメラによる樹幹認識では、認識精度確保のため、樹木にマーカーが必要である。
- 農道を含めて公道の走行はできない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2013/harc13_s12.html
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カテゴリ |
遠隔操作
GPS
西洋なし
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