タイトル |
リアルタイムで進捗把握が可能なスマートフォン用収穫作業記録作成アプリ |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
研究期間 |
2009~2013 |
研究担当者 |
寺元郁博
高橋仁康
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発行年度 |
2013 |
要約 |
スマートフォンを用いて収穫作業記録を作成し、刻一刻と変化する進捗状況を、リアルタイムにグループ内で共有できるアプリである。また、作成した記録を日報の作成や能率管理などに活用できる。
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キーワード |
作業記録、スマートフォン、コントラクタ、アプリ、クラウド
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背景・ねらい |
飼料用イネのコントラクタなどの多くは広域に分散した多くの圃場を請け負う。収穫作業では、複数の作業グループに分かれて作業を進めるが、収穫機トラブルなどがしばしば発生し、そのグループの進捗遅延だけでなく、他のグループの支援を受けた場合には、全体の作業計画に影響を与える。このため、作業記録を作成するだけでなく、記録をリアルタイムに共有して、刻一刻と変化する進捗状況を容易に把握できる、かつ低コストで実現したいというニーズが高まっているが、このようなシステムは存在しない。 そこで、近年急速に普及しているスマートフォンを用いて、いつ、どこで、誰が作業を行ったかの記録を現場で簡便に作成することができ、かつ、作成した記録をグループ内でリアルタイムに共有できるアプリを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本アプリは、収穫作業記録を作成し、グループ内でリアルタイムに共有できるスマートフォン(Android 4.0以上)用アプリで、一般に販売されているスマートフォンで利用できる。作成した記録は、能率管理などに活用できる(図1)。
- ユーザは圃場ごとに、開始、中断、再開、終了の4種類の記録を作成する。記録項目は、現場での記録作成を行うため、最低限の項目に絞ったもので、全記録種別において記録作成者、圃場番号、日時があり、終了記録と中断記録では、さらに収穫数量がある。
- 記録種別はアプリ起動時に、前回作成した記録をもとに自動判別され、記録項目のうち記録作成者と日時は自動入力されるので、最小限の操作で記録作成ができる(図1-a)。
- 作成された記録は、すぐにクラウドストレージ(インターネットを介したデータ保存サービス)に送信される。本アプリは1分ごとにクラウドストレージにアクセスして、地図上に圃場ごとの進捗状況を色分けして表示する機能を持ち、どこでも進捗状況を把握できる(図1-b)。記録作成の圃場選択(圃場番号入力に相当)にも利用できる。
- 本アプリには日別集計機能があり、指定した日の圃場別収穫数量とその合計とを表示することができる(図1-c)。また、作成された記録をCSV形式でダウンロードすることができ、日報の作成や能率管理などに活用することができる(図1-d)。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:広域コントラクタ組織をはじめとした、複数のオペレーターが同時に作業を行う経営体。700筆以上を受託するコントラクタでの実証運用では、リーダーが現場に行かなくても進捗状況把握が可能な点などで良好な評価を得ている。記録項目の収穫数量は単なる数値情報として扱っているので、進捗を数値情報で表せる他の作目や作業に適用することも可能である。
- 普及予定地域・普及台数等:全国を対象に10件程度を想定している。
- その他:利用方法についてはウェブサイトを参照されたい。
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図表1 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/warc/2013/13_048.html
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カテゴリ |
経営管理
収穫機
飼料用作物
低コスト
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