イチゴの果柄を把持し、果実の品質低下を軽減する個別包装容器

タイトル イチゴの果柄を把持し、果実の品質低下を軽減する個別包装容器
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2010~2012
研究担当者 貝沼秀夫
紺屋朋子
藤岡修
発行年度 2013
要約 上フタと下フタの1辺が連結された容器の一部でイチゴの果柄を把持し、果実に触れるものがない状態で一果ずつ包装する容器である。包装から消費までの損傷発生や質量減少を低減でき、品質を保持して長距離輸送できる。
キーワード イチゴ、個別包装、果柄把持、損傷低減、品質保持
背景・ねらい イチゴは軟弱で傷がつきやすい果実である。従来の包装形態では、イチゴ同士や容器との接触を避けることができず、出荷から消費までの工程において損傷を生じる場合が多い。近年では、少数個単位での販売や宅配便を利用した販売、輸出を含めた遠距離輸送など、従来と異なる流通方法が拡大しており、品質保持は不可欠となっている。そこで、慣行の2段詰めの包装形態に比較して、損傷発生や質量減少を軽減できる新たな包装技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本容器は、上フタと下フタの一辺が連結された二枚貝のような形状であり、容器の一部で果柄を挟んで把持する構造によって、果実に触れるものがない状態で包装できる(図1)。容器は、果柄把持部を下にして自立し、果実硬度の高い果底部で自重を支える姿勢となる(図2)。
  2. 容器(材質:OPS(二軸延伸ポリスチレン))サイズは長さ45mm×幅50mm×高さ55mm(I型、容器質量2g)と、長さ55mm×幅60mm×高さ65mm(II型、容器質量3g)の2種類ある。I型は25g程度、II型は40g程度の果実を対象とする。
  3. 本容器は、慣行の出荷箱と同等の出荷箱(長さ334mm×幅240mm×高さ81mm)に6個×3列に収容可能である。トラックを用いた輸送試験では、損傷の最大長さが4mm未満の果実の割合が、到着当日で85%以上であり、到着3日後、6日後においても、70%以上と、慣行の2段詰めの包装形態に比較して高い(図3)。
  4. 5°Cの環境で貯蔵した場合、本容器内温度も5°Cで推移する。相対湿度は貯蔵庫内が70~80%で推移したのに対し、本容器内では95%程度と高い状態が保たれる。また、慣行の包装形態に比較して、貯蔵時のイチゴの質量減少率を低減できる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:イチゴ生産者、販売者等。特に、大玉果の販売や、宅配による販売形態において有用。
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国のイチゴ生産地域。10万枚/年。
  3. その他:
    • 平成26年度に市販化予定。
    • 本容器を利用するには、果柄を15mm以上残して収穫する必要がある。 
    • 容器に収容できるサイズは、品種や形状によって異なる。
図表1 236729-1.jpg
図表2 236729-2.jpg
図表3 236729-3.jpg
図表4 236729-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/brain/2013/13_080.html
カテゴリ いちご 市販化 出荷調整 品質保持 品種 輸出 輸送

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