タイトル |
収穫後にほ場内乾燥する体系のトラクタ装着型ラッカセイ収穫機 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター |
研究期間 |
2011~2013 |
研究担当者 |
深山大介
青木 循
李 昇圭
宮崎昌宏
滝沢芳則
湯原光治
村山生夫
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発行年度 |
2013 |
要約 |
ラッカセイを掘取り、株を反転させて地表面に落下させるトラクタ装着型の収穫機。収穫後ほ場内で乾燥させる収穫体系に適用する。根切り機のみを使う慣行作業に比べて作業時間を35%短縮できる。
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キーワード |
ラッカセイ、収穫、省力化、収穫損失、反転
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背景・ねらい |
ラッカセイは機械化の遅れから、作付面積が急速に減少している。収穫作業において、根を切る作業は機械化されているものの、その後、株を引き抜き、天日乾燥のために土をふるい落として根部を上向きに並べる反転整列作業は手作業に頼るため、機械化による高能率化が強く求められている。そこでラッカセイの掘取りと反転を1行程で行い、収穫作業の高能率化を可能とするラッカセイ収穫機を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 開発したラッカセイ収穫機(図1)は、掘取り機構と反転機構で構成されるトラクタ装着型の機械である。1畝2条栽培で畝幅120~140cm、条間45cmの栽培様式に対応する(表1)。作業はオペレータ1名で行う。
- 掘取り機構は、掘取り時に株の茎葉を前方に押し倒す姿勢制御ローラー、コールタ、根切刃および搬送用の突起付きバーコンベアで構成される(図1)。既存の掘取り機と異なり、バーコンベアの前端部は畝天面より上に位置し、バーコンベアの突起が株を掻き上げて掘取り、搬送する。根部に付着する土は、バーコンベアで搬送される間にふるい落とされる。
- 反転機構は、反転ディスクと反転ガイド板で構成される。バーコンベアから送られたラッカセイの株を反転ディスクで後方へ放てきし、反転ガイド板の傾斜面により株の根部を上向きに地面へ落下させる。
- 本機による作業後の収穫損失は、地表落下莢と埋没莢を合わせて平均4.4%である。また株の反転状況は、根部が上向きに露出し莢が地面に接していない株の割合が平均で58%である(表2)。慣行の手作業による反転整列と同じ状態に仕上げるためには、本機による作業後に未反転株などを手作業で反転整列する手直し作業を行う。
- 作業能率は、作業速度0.40m/sの時、0.56h/10aである。開発機による処理の後は、株が地表に完全に露出するため、株を引き抜く作業が不要になり、反転の手直し作業だけで済むことから、慣行の収穫作業に要する投下労働時間を35%短縮できる。(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:落花生生産者、落花生加工業者
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:主に千葉県および茨城県・60ha・12台
- その他:栽培面積の減少が急速に進む産地を維持する取り組みに寄与する。2014年度にモニター調査の後、市販予定。19kW{26PS}以上のトラクタに適応する。トラクタ前輪の接地荷重が適切になるようにフロントウエイトが必要である。ラッカセイの株の分枝長が極端に長い場合や過繁茂状態など、作物状態によって株が反転しない場合がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/brain/2013/13_081.html
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カテゴリ |
加工
乾燥
機械化
収穫機
省力化
らっかせい
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