タイトル | 仙台湾における植物プランクトンの群集構造の季節変動 |
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担当機関 | (独)水産総合研究センター 東北区水産研究所 |
研究期間 | 2011~2016 |
研究担当者 |
谷内由貴子 渡辺剛 筧茂穂 坂見知子 桑田 晃 |
発行年度 | 2014 |
要約 | 東日本大震災の津波により仙台湾の海洋生態系は大きな影響を受けた。本研究は、海洋生態系の根幹でありながら、殆ど知見がなかった植物プランクトン群集の構造の季節変動を把握するため、仙台湾において1年間集中観測を実施した。その結果、春の主な植物プランクトンは珪藻でブルームを形成すること、夏から秋にかけては微小植物プランクトンが主な植物プランクトンとなることを明らかにした。 |
背景・ねらい | 2011年の東北地方太平洋沖地震で発生した大津波により、仙台湾において海洋生態系の根幹となる植物プランクトン群集も大きな影響を受けたとことが予想された。実際、震災津波の後に、貝毒原因となる有毒渦鞭毛藻Alexiandriumの出現量の増加が見られている。しかし、仙台湾の植物プランクトン群集構造に関する知見は非常に乏しく、本研究では、仙台湾における植物プランクトン群集の全体像を把握するため、植物プランクトン群集の季節変動を 1 年にわたる集中観測により明らかにすることを目的とした。 |
成果の内容・特徴 | 仙台湾の沿岸と沖合の2測点を定点とし、2012年3月から翌4月までほぼ毎月調査し、震災後の大型植物プランクトン(珪藻・渦鞭毛藻)と微小植物プランクトン(真核藻類・シアノバクテリア・クリプト藻)の種組成や細胞密度の季節変動の解明に取り組んだ。その結果、春の主な植物プランクトンは珪藻で、夏から秋にかけては微小植物プランクトンが主となることが明らかとなった。 |
成果の活用面・留意点 | 植物プランクトン群集の変化や増減は、食物連鎖を通じて水産資源の増減に影響を及ぼすだけでなく、同じ栄養源を利用する有毒渦鞭毛藻の増減にも関係する。したがって、このような植物プランクトン群集の消長に関わるメカニズムを解明することにより、漁場環境問題への対応や有用魚介類の生息環境が良好な状況にあるかどうかを診断技術の開発につながることが期待される。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4896&YEAR=2014 |
カテゴリ | 季節変動 診断技術 |