石西礁湖周辺海域における陸源負荷の影響評価 メタゲノミクスによる推定

タイトル 石西礁湖周辺海域における陸源負荷の影響評価 メタゲノミクスによる推定
担当機関 (独)水産総合研究センター 中央水産研究所
研究期間 2013~2015
研究担当者 長井 敏
田邉晶史
本郷悠貴
共同実施機関: 東京工業大学(灘岡和夫)
共同実施機関: 宮崎大学(安田仁奈)
共同実施機関: 水産総合研究センター西海区水産研究所 亜熱帯研究センター(鈴木 豪)
発行年度 2014
要約 わが国で最大規模のサンゴ礁である石西礁湖珊瑚礁について、次世代型シーケンサーを用いたメタゲノミクス技術により、プランクトンの生物多様性を解明し、陸源負荷の影響を明らかにしました。研究結果から、石垣島南部の河川からの栄養塩負荷量を抑えることで、石西礁湖のサンゴの劣化を防ぐことが可能になると期待されます。
背景・ねらい  石垣島と西表島の間にある石西礁湖はわが国で最大規模のサンゴ礁海域で、近年、サンゴ被度等の低減傾向が続いています。石西礁湖自然再生協議会では、「環境負荷を軽減してサンゴ礁生態系の回復」を短期目標に掲げた活動をしており、目標達成に向けて有効な科学的知見の提供が求められています。本研究では、次世代型シーケンサーを用いたメタゲノミクス技術により、石西礁湖周辺海域におけるプランクトンの生物多様性の解明、陸源負荷の影響評価・起源解明を目指します。
成果の内容・特徴  2013年6月17、18、21日に石西礁湖周辺海域を対象とした広域多点調査を実施し、全32点のうち16地点でメタゲノム解析を行いました。海水3リットルから捕集したプランクトンDNA を用いると、1サンプルあたり約3万配列を読むことで、約500-600個の異なる配列が得られ、その生物多様性を把握することができました(図1、図2)。6月17、18日は平穏時の調査で、出現プランクトンの類似度指数は地点間でばらつきましたが、21日は台風通過による攪拌によって地点間の差が小さくなりました(図3)。河川水に多量に含まれるケイ酸塩を利用して増殖する珪藻の出現種数・出現量を指標として、陸源負荷の影響・起源を調べたところ、石垣島南部がその起源であることが明らかとなりました(図4)。

 したがって、河川からの栄養塩負荷量を抑えることで、石西礁湖のサンゴの劣化を防ぐことが可能になると期待されます。
成果の活用面・留意点  今後、モニタリング調査に次世代シーケンスによるメタバーコーディング技術の利用が一般化すると期待されます。これによって生物多様性の評価および出現種の網羅的な記録が可能となり、日本沿岸域に出現するプランクトンの種類数を正確に把握することが可能になると期待されます。
図表1 236812-1.jpg
図表2 236812-2.jpg
図表3 236812-3.jpg
図表4 236812-4.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4906&YEAR=2014
カテゴリ モニタリング

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