岡山県ノリ漁場における栄養塩濃度とノリの色調および乾海苔単価との関係

タイトル 岡山県ノリ漁場における栄養塩濃度とノリの色調および乾海苔単価との関係
担当機関 岡山県農林水産総合センター水産研究所
研究期間 2010~2014
研究担当者 村山史康
高木秀蔵
清水泰子
発行年度 2014
要約 海水中の栄養塩濃度と乾海苔単価との関係を明らかにするため、生ノリおよび乾海苔の色調(L*値とa*値)を測定し、栄養塩濃度、ノリの色調および乾海苔単価の関係を調べた。DIN(溶存態無機窒素)濃度が3μM以下になると生ノリの色調が急激に低下した。また、DIN濃度と生ノリのL*値およびa*値、生ノリのL*値およびa*値と乾海苔のL*値、乾海苔のL*値と乾海苔単価に有意な相関が見られた。
背景・ねらい 近年、全国的にノリ養殖における「色落ち」が発生し、大きな被害が出ている。瀬戸内海においても色落ちが頻発しており、海水中のDIN濃度の減少に伴って発生するとされている。ところが、色落ちが発生するDIN濃度の値は明らかでなく、色落ちが乾海苔単価に与える影響も明らかになっていない。そこで、本県漁場におけるDIN濃度と生ノリの色調、生ノリと乾海苔の色調、乾海苔の色調と乾海苔単価の関係をそれぞれ調べた。
成果の内容・特徴 1.2010~2012年度に10~16回、図1に示した黒島漁場西端3定点の表層水を採水し、DIN濃度と生ノリ20枚のa*値を分析した。DIN濃度(x)と生ノリa*値(y)の関係はy = 3.0 log(x)+ 2.2(r = 0.81)となり、 DIN濃度の減少に伴ってa*値は急激に減少した(図2,p < 0.01)。

2.2011年度には県内のノリ養殖漁家から生ノリおよびそれから製造した乾海苔を12回採取し、L*値を測定した。生ノリのa*値(x)と乾ノリのL*値(y)との関係式はy = - 1.0 x + 33.3(r = -0.82)となり、有意な相関が見られた(図3,p < 0.01)。

3.2011~2012年度に岡山県漁連ノリ共同販売(全8回)に出品された乾海苔を1回につき20~60枚採取し、*値を測定した。2011年度における乾ノリのL*値(x)と単価(y)の関係はy = 2.4×104×x -2.4、2012年度ではy = 7.6×102×x -1.6となり、ともに有意な相関が見られた(図4-a,b,p < 0.01)。なお、乾海苔の平均単価は2006~2010年度までの5ヵ年平均値とした。

4.以上の式をもとにDIN濃度、生ノリのa*値、乾ノリのL*値、単価の関係を表1に示した。なお、原価は農林水産省の2006~2010年における漁業経営調査(http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/gyokei/index.html)に基づき、瀬戸内海区における5ヵ年平均値とした。その結果、ノリ単価が原価の5.10円/枚を下回るDIN濃度は1.8μMと考えられた。
成果の活用面・留意点 DIN濃度と生ノリの色調、生ノリと乾海苔の色調、乾海苔の色調と乾海苔単価の関係を明らかにした。
図表1 236829-1.jpg
図表2 236829-2.jpg
図表3 236829-3.jpg
図表4 236829-4.jpg
図表5 236829-5.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4732&YEAR=2014
カテゴリ 経営管理

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