タイトル | 硝酸塩センサーを用いたノリ漁場の栄養塩テレメトリーシステムの開発 |
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担当機関 | 岡山県農林水産総合センター水産研究所 |
研究期間 | 2010~2014 |
研究担当者 |
高木秀蔵 清水泰子 阿保勝之 |
発行年度 | 2014 |
要約 | ノリの色落ち被害の軽減を目的として、硝酸塩(NO3-N)センサーとデータ転送装置を組み合わせ、溶存態無機窒素(DIN)のテレメトリー技術の開発を試みた。2010年、2011年、2012年の3ヵ年のノリ漁期において、DIN濃度と硝酸塩センサー値の間に有意な相関が見られた(p<0.01)。また、電話回線を通じて取得したデータの転送に成功し、DINのテレメトリーが可能となった。 |
背景・ねらい | ノリ養殖が行われている地域の水試等では、ノリの色落ち被害の軽減を目的として、漁場の栄養塩モニタリングを実施しているが、調査および分析に多くの労力が必要となるためその回数が限定される。その結果、栄養塩低下のタイミングを見逃し、ノリ養殖に十分に貢献できないことが多い。そこで、硝酸塩センサーとデータ転送装置を組み込んだ栄養塩のテレメトリーシステムを開発した。 |
成果の内容・特徴 | 1.3ヵ年の間、冬季の備讃瀬戸東部のノリ漁場に硝酸塩センサー(ISUS V3)を設置し、6時間に1回以上の頻度で、硝酸塩のセンサー値を取得した(図1)。 2.センサーの設置期間中、3~5日に1回の頻度で、センサー近傍における海水のDIN濃度とセンサー値の関係を調べたところ、年度ごとの両者の間には有意な(p<0.01)相関関係が見られ(図2)、年度ごとの相関式を用いて補正したセンサー補正値とDIN濃度は同様の推移を示した(図3)。 3.センサーデータの転送システムを開発し、データ転送に成功した。これらの結果は、試験的に、2~3日に1回の頻度で関係漁業者にFaxで発信した(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.センサーを用いた栄養塩のテレメトリーシステムの開発に成功した。 2.今後は、補正作業の必要のないレベルまで、精度の向上を図る必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4723&YEAR=2014 |
カテゴリ | モニタリング |