タイトル | カツオ電子標識放流調査から明らかになったカツオの回遊経路 |
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担当機関 | (独)水産総合研究センター 国際水産資源研究所 |
研究期間 | 2011~2013 |
研究担当者 |
清藤秀理 松本隆之 芦田拡士 岡本浩明 |
発行年度 | 2014 |
要約 | 2011年~2013年に電子標識を取り付けたカツオの放流調査を実施し、取得されたデータを解析した。日本近海への来遊経路は大まかに、(1)東シナ海黒潮沿い経路、(2)九州・パラオ海嶺経路、(3)伊豆・小笠原列島沿い経路の3経路と結論付けられた。また、日本の南から冬季から春季にかけて形成される水温20℃以下の水温分布が日本近海に北上するカツオを迂回させる要因があることが明らかとなった。 |
背景・ねらい | 近年、遠洋竿釣漁況の低迷や三陸沖での不漁、日本沿岸の一部沿岸域での継続した漁獲低迷等の現象が確認されており、日本近海におけるカツオ漁獲量低迷の原因究明が急務である。そこで、日本近海へ来遊してくるカツオの具体的な経路とその水平行動に与える影響を明らかにすることを目的とした。 |
成果の内容・特徴 | 1. 2011年~2013年に放流した電子標識を取り付けたカツオは合計760尾(尾叉長40cm前後)、そのうち41尾が再捕された。推定された位置から、日本近海への来遊経路は大まかに、(1)東シナ海黒潮沿い経路、(2)九州・パラオ海嶺経路、(3)伊豆・小笠原列島沿い経路の3経路があると結論付けられた。与那国で放流されたカツオはトカラ列島周辺海域で滞留する傾向を示し、トカラ列島周辺海域から高知沖へ移動する個体数は少ないことが明らかとなった。 2. 日本の南側に冬季から春季にかけて形成される水温20度以下の水温分布が日本近海に北上するカツオを迂回させる要因であることが明らかとなった。 |
成果の活用面・留意点 | 冷水域の存在によってカツオの水平行動が変化し、沿岸漁業への加入の影響の可能性を示した。これは、日本近海への来遊過程の具体的な把握へとつながり、近い将来には日本近海でのカツオ北上のタイミングや海域等を高い精度で予測できるようになると期待できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4789&YEAR=2014 |