タイトル | 太平洋クロマグロの中心点的な産卵期、産卵場の特定(2011-13年) |
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担当機関 | (独)水産総合研究センター 国際水産資源研究所 |
研究期間 | 2011~2015 |
研究担当者 |
阿部寧 鈴木伸明 山崎いづみ 森永健司 瀬川恭平 岡崎誠 増島雅親 森本晴之 井口直樹 田邊智唯 亀田卓彦 |
発行年度 | 2014 |
要約 | 2011年~2013年に実施した仔魚分布調査の結果に基づいて太平洋クロマグロの産卵場を推定し、近年の産卵期、産卵場の核となる部分を抽出した。南西諸島では4月下旬~7月上旬に八重山諸島南西、宮古諸島周辺、沖縄本島南方沖を、日本海では6月下旬~7月下旬に隠岐諸島~能登半島、および新隠岐堆付近を中心的な産卵期、産卵場と特定した。 |
背景・ねらい | 太平洋クロマグロは、最新の資源評価で歴史的最低水準付近にあると推定されており、我が国は太平洋クロマグロの最大の漁業国かつ消費国として、その資源管理に積極的に取り組んでいる。太平洋クロマグロは南西諸島周辺と日本海が産卵場であることが知られているが、詳細な時空間的情報や、産卵場形成要因に関する情報が欠如している。また、近年の資源状態や、変動する漁業・海洋環境に則した、最新の情報にアップデートする必要がある。このため、関係6県(石川、鳥取、島根、山口、鹿児島、沖縄)及び水産大学校と連携し、2011年から3年間の大規模クロマグロ仔魚分布調査を実施し、仔魚分布・日齢および海況予測モデル(FRA-ROMS、JADE)を用いたシミュレーションにより、年ごとの産卵海域・時期を推定してきた。本研究では、年による変動を考慮し、3年間の推定結果を集約し、近年の中心的な産卵期・産卵海域を特定した。 |
成果の内容・特徴 | 1.太平洋クロマグロは4月下旬に八重山諸島西方で産卵を開始し、次第に東に範囲を広げながら、7月上旬まで八重山諸島~沖縄本島を中心とした海域で産卵していた。日本海では6月下旬に若狭湾沖で産卵を開始し、7月に隠岐諸島~能登半島を中心とした海域で産卵していた(図1)。 2.南西諸島の産卵場は八重山諸島周辺~沖縄本島周辺に広がり、主な産卵場は、八重山諸島南西、宮古諸島周辺、沖縄本島南方沖と推定された(図2-1)。日本海の主な産卵場は、隠岐諸島~能登半島、および新隠岐堆付近と推定された(図2-2)。 |
成果の活用面・留意点 | ・太平洋クロマグロは環境が適合すれば様々な海域で産卵する可能性があるが、上記の海域が近年の産卵場の中心となると考えられ、資源管理への活用が期待される。 ・クロマグロ資源変動には加入量の多寡が大きく影響するため、仔魚の生き残る割合がどのような環境要因に影響されているかを詳しく調べることが必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4778&YEAR=2014 |
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