ロイン凍結マグロの割れ発生と凍結温度との関係

タイトル ロイン凍結マグロの割れ発生と凍結温度との関係
担当機関 (独)水産総合研究センター 中央水産研究所
研究期間 2012~2013
研究担当者 大村裕治
木宮 隆
今村伸太朗
鈴木道子
伏島一平
上原崇敬
横田耕介
澤田克彦
佐々木安之
佐谷守朗
発行年度 2014
要約  フロン冷媒規制の流れの中で漁船上における超低温凍結が困難になることが予想される。自然冷媒で可能な-45℃以上で高品質凍結マグロ生産手法としてロイン凍結に着目したが、割れが生じることが問題となったことから種々の温度でメバチロインを凍結し、発生する割れと品質を評価して割れの発生が少なく、高品質を実現する凍結条件について検討した。
背景・ねらい  モントリオール議定書によりR22フロン冷媒の実質的使用禁止が2020年に迫り、温暖化係数が著しく高い代替冷媒の利用が問題視されるなかでフロン冷媒に代わる冷媒や漁船冷凍システム開発の目途が立っていない。このため、現状で有力な選択肢と考えられるアンモニア等の自然冷媒で実現可能な-45℃以上で、従来の超低温に匹敵する品質の冷凍マグロの生産を可能とする手法の開発が喫緊の課題となっている。
成果の内容・特徴  水研センター開発調査センター遠洋延縄調査船「開発丸」が釣獲した鰓、腹抜き状態で40kg程度のメバチ(Thunnus obesus)を前川製作所製ロイン凍結機で-20、-30、-45および-70℃で12時間凍結した後、-45℃で保冷した。帰港後、神奈川県漁連三崎加工場でサク加工し、割れにより商品とならない不良サクを仲買人および加工場職員の判定により分別し、割れのない良サクの全サクに占める比率を重量%により算出して割れ発生頻度を評価した。また、これらついて解凍前の核酸関連化合物、5℃で12時間解凍時および5℃で24時間貯蔵後のメト化率を分析した。

 その結果、-45℃以下で凍結すると割れ発生頻度が増加した一方、-30℃以上で凍結すると割れが抑制された。核酸関連化合物に占めるATPの割合に凍結温度による有意差は認められなかった。5℃で6時間解凍時およびさらに5℃で24時間貯蔵時のメト化率についても凍結温度による差は認められなかった。これらの結果からロイン凍結することにより超低温よりも高い温度でも高品質な冷凍マグロを生産できる可能性のあることが明らかとなった。
成果の活用面・留意点  本成果は遠洋マグロはえ縄漁業における脱フロン化ばかりでなく急冷過程の省エネルギー化にも貢献し得ると考えられる。一方、凍結速度の制御は各漁船の冷凍機器の仕様により異なること、60kgを超える大型個体では必然的にロインサイズも大きくなることから急冷速度も異なってくると考えられることなどから、本手法の一般化のためには今後もデータの蓄積が必要である。
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図表4 236861-4.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4744&YEAR=2014
カテゴリ 加工 省エネ・低コスト化

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