潜水目視によるイワナ・ヤマメの個体数推定手法の開発

タイトル 潜水目視によるイワナ・ヤマメの個体数推定手法の開発
担当機関 栃木県水産試験場
研究期間 2013~2013
研究担当者 高木優也
綱川孝俊
久保田仁志
発行年度 2014
要約 複数河川で電気ショッカーを用いた個体数推定と潜水目視調査を行った。目視発見個体数のみでイワナ推定生息個体数の88%、ヤマメ推定生息個体数の96%が説明された。全長組成の推定精度も高かったことから、潜水目視による個体数推定は十分に可能であると考えられた。
背景・ねらい 渓流魚の個体数推定には、一般的に電気ショッカーを用いた除去法やピーターセン法が使われる。しかし、これらの手法は河川規模が大きくなると、精度の高い推定を行うためにかかる時間や人員といったコストが非常に大きくなる。一方、潜水目視は簡便かつ広く渓流漁場に適用できるが、得られるのは発見個体数であり推定生息個体数は分からない。そこで、潜水目視による個体数推定の精度、及びそれに影響を与える環境要因について検証した。
成果の内容・特徴 複数河川で電気ショッカーを用いた個体数推定と潜水目視調査を行った。その結果、目視発見個体数から推定生息個体数を推定する有意な回帰式が得られ、イワナ推定生息個体数の88%、ヤマメ推定生息個体数の96%が目視発見個体数のみで説明された(図1)。また、15cm以下のイワナを除けば電気ショッカーによる採捕と目視による全長組成に差は見られなかった(図3)。

潜水目視による発見率(目視発見個体数/推定生息個体数×100)は、イワナで平均30%、ヤマメで平均83%であった。発見率に影響を与える要因について検討するために、一般化線形混合モデルを用いて解析を行った(表1)。その結果、イワナでは流量が多いほど発見率が低下すること、イワナ・ヤマメともに早い調査月よりも遅い調査月で発見率が高まることが示された(表1、図2)。
成果の活用面・留意点 1.少なくとも環境条件が今回の調査河川の範囲内であれば、本調査で得られた回帰式を用いて個体数を推定することは十分に可能であると考えられる。ただし、電気ショッカーによる採捕が困難な深い淵が連続するような河川では、調査を行っていない。そのため、環境条件が今回の調査河川の範囲内であっても、そのような河川での推定については注意が必要である。

2.流量や調査月が発見率に影響を与える可能性が示された。より精度の高い個体数推定を行うためには、これらの環境要因の影響及び、その仕組みについて今後検証していく必要がある。
図表1 236867-1.jpg
図表2 236867-2.jpg
図表3 236867-3.jpg
図表4 236867-4.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4864&YEAR=2014
カテゴリ コスト

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