ガスクロマトグラフのためのガス自動注入装置(RoVi)

タイトル ガスクロマトグラフのためのガス自動注入装置(RoVi)
担当機関 (独)農業環境技術研究所
研究期間
研究担当者 須藤 重人
発行年度 2014
要約 真空バイアルビンから、気密性の高いガスタイトシリンジを使用して1~5 ml 程度のガス試料を抽出し、当該ガス試料をガスクロマトグラフに注入する作業を簡便に自動化する装置を開発しました。
背景・ねらい 温室効果ガスを少容量の採取容器(バイアルビン)を利用して、高頻度かつ高精度で分析するためには、ガス自動採取技術および多成分同時分析技術とともに、ガスの自動注入技術が不可欠でした。これまで入手可能な市販の自動注入装置は、多機能ではあるが高額なものや特定メーカーの分析機器にのみ接続可能なものが多く、これらの点が温室効果ガス観測研究の進展の障害となっていました。本研究では、単純かつ既存の分析機器に接続可能で、高精度な温室効果ガス自動注入装置(RoVi = Rolling Vials の意)を開発しました。
成果の内容・特徴  本装置は、農地から発生する温室効果ガス3成分(CO2、CH4、N2O 等)を一回の試料セットで 60 検体程度処理可能で、かつ簡便に自動分析する技術に絞った機器構造とするために以下のようなポイントに着目して開発しました。

(1)接続可能なガスクロマトグラフは特定メーカーに限定されない。
(2)フタ部分のICチップにより、試料情報を自動的に記録する機能。
(3)自然ころがり式でビンを搬送し、駆動部分を減らして製造コストを削減。
(4)市販の高気密性ガスタイトシリンジを活用し、シリンジ交換コストを低減。
(5)電動サーボモータの使用によりガス注入速度を安定化することで高精度化。
(6)トレーに試料ビンを置いてスタートボタンを押すだけの単純な分析手順。

 本装置を、ガス自動採取装置(AGSS)および温室効果ガス3成分同時分析法と合わせて使用することにより、ガス採取から分析までの一連の観測工程を自動化できます。

 温室効果ガスの観測研究の効率化および高度化をもたらす本成果は、温室効果ガス低減のための研究を通じて農業環境の改善に大きく貢献することが期待されます。

本研究の一部は、JSPS科学研究費補助金基盤研究C「温室効果ガス3成分同時自動分析法高度化に関する研究」による成果です。
図表1 236885-1.jpg
図表2 236885-2.jpg
研究内容 http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result31/result31_18.html
カテゴリ コスト 分析技術

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