タイトル |
CAPSマーカーによるカンキツの品種識別技術 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 |
研究期間 |
2013~2014 |
研究担当者 |
藤井浩
二宮泰造
島田武彦
遠藤朋子
野中圭介
大村三男
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発行年度 |
2014 |
要約 |
カンキツで開発された9種類のCAPSマーカーを用いることにより、主要なカンキツ品種を含む33品種・系統の識別が可能である。
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キーワード |
CAPSマーカー、カンキツ、品種識別、DNA、遺伝子型
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背景・ねらい |
わが国で育成されたカンキツ品種の海外流出およびその生産物の海外からの流入は、今後の国内のカンキツ生産に大きな影響を与える可能性があるため、生産者や育成者権の保護に向けてカンキツの品種識別技術の確立が求められている。そこで、カンキツを対象に品種識別に有効なCAPSマーカー用いた科学的な信頼度の高い識別方法の開発を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 9種類のCAPSマーカーがカンキツの品種識別に利用可能である(表1)。
- 9種類のCAPSマーカーを「不知火」、「はるみ」、「せとか」、「はれひめ」、ウンシュウミカン、スイートオレンジなど主要なカンキツ33品種・系統に適用することにより、図1のような電気泳動パターンから、表2のマーカー遺伝子型が得られる。
- 最少マーカーセット計算プログラムMinimalMarkerで計算したところ、最も少ないマーカー数で表2に示した品種および系統をすべて識別可能なCAPSマーカーの組合せは(Cp0089/HindIII, Cp0635/DraI, Tf0001/MspI, Tf0013/RsaI, Tf0293/HindIII, Tf0318/HincII, Tf0386/MspI, Tf0419/PvuII)の8マーカーの組合せ、または、(Cp0635/DraI, Tf0001/MspI , Tf0013/RsaI, Tf0293/HindIII, Tf0318/HincII, Tf0386/MspI, Tf0419/PvuII, Tf420/HaeIII)の8マーカーの組合せである。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:品種育成者権所有者、農業・食品関連試験研究機関、農業・食品関連行政機関、食品検査業者、食品加工業者
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:多様な組織で利用されることが期待される。
- その他:開発したCAPSマーカーは、愛媛県育成品種「甘平」の親子鑑定に利用されている。CAPS マーカーはPCR増幅断片を制限酵素処理することにより多型を検出する。このため、使用する主要な機械装置は、サーマルサイクラーと電気泳動装置である。また、CAPSマーカー分析は、安定な結果を得やすい。このため、簡易な方法での品種識別技術を求める研究現場や小規模な品種識別を必要とする研究場面での普及性が期待される。わが国のカンキツの品種識別用のマーカー情報が公開されるのは、初めてであり、国内のカンキツの品種識別のための基礎的な情報となる。枝変わり品種と原品種の識別はできない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/fruit/2014/14_037.html
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カテゴリ |
温州みかん
加工
品種
その他のかんきつ
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