重イオンビーム照射によるトマト変異誘発系統群

タイトル 重イオンビーム照射によるトマト変異誘発系統群
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2006~2014
研究担当者 今西俊介
野口有里紗
風間裕介
平野智也
林依子
松尾 哲
長菅香織
永田雅靖
阿部知子
発行年度 2014
要約 乾燥または吸水後のトマト種子への重イオンビーム照射を種々の吸収線量条件で行い、変異を誘発した約11,500系統を作出し、約4,300系統のM3種子ストックが共同利用可能である。M2世代において外観形質で野生型と異なる表現型を示したのは808系統である。
キーワード ネオンイオンビーム、炭素イオンビーム、サイクロトロンミュータジェネシス、遺伝子リソース
背景・ねらい 様々な原子イオンを、サイクロトロンなどの加速器を使って高速に加速した重イオンビームは、エックス線やガンマ線と比べてエネルギーが大きく、照射による変異率が高く、かつ変異導入箇所が少ないため、不良形質変異の付随が起こりにくい。
果菜類のモデル植物としてゲノム解読が完了したトマトは、変異誘発系統を用いた原因遺伝子の単離や機能解明などの研究が加速すると考えられる。そのための遺伝子リソースとして、世界的にも類を見ない重イオンビーム照射による変異誘発系統群を作出し、ゲノム研究や育種の素材として共同利用が可能なM3種子ストックとして整備する。
成果の内容・特徴
  1. 極矮性トマト「Micro-Tom」の乾燥種子に対して、ネオンもしくは炭素イオンビーム照射後に栽培・採種したM2系統数は、それぞれ4,432、4,567である。M2世代を栽培しM1系統ごとにM3種子を採種した系統数は、計2,623である(表1i)。
  2. 6、12、24時間の吸水後の種子に対して、ネオンもしくは炭素イオンビーム照射後に栽培・採種した系統数は、それぞれ559、1,933である。M2世代を栽培し、M1系統ごとにM3種子を採種した系統数は、計1,692である(表1ii)。
  3. M2世代を用いた特性評価によって、野生型と異なる表現型を示す変異候補として選抜された系統数は、808である(図1)。
  4. 得られた主な変異株は、植物体サイズや形態、果実形質、葉および果実色などが野生型と異なる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 重イオンビーム照射は、理化学研究所との共同研究により行った。
  2. M2世代において、可視的な変異が見られる系統を選抜し、独立して採種を行った。外観形質に変異の見られない系統については、M1由来株ごとにバルクで採種を行った(M3世代採種:それぞれの種子ストックに固有番号を付与済み。一覧をweb上で公開予定。)。
  3. 共同利用手続きについては、担当者に問い合わせて下さい。
図表1 237071-1.jpg
図表2 237071-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2014/vegetea14_s07.html
カテゴリ 育種 乾燥 ストック トマト

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる