紫外線照射に起因する皮膚障害に対する芳香族ピルビン酸の防御効果

タイトル 紫外線照射に起因する皮膚障害に対する芳香族ピルビン酸の防御効果
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2011~2014
研究担当者 青木玲二
青木綾子
鈴木チセ
高山喜晴
発行年度 2014
要約 インドールピルビン酸のヘアレスマウス皮膚への塗布は、紫外線B波照射により引き起こされる皮膚バリア機能の低下、皮膚組織の壊死および肥厚を抑制する。ヒドロキシフェニルピルビン酸塗布は皮膚バリア機能の低下を抑制する。
キーワード 紫外線、皮膚障害、インドールピルビン酸、ヒドロキシフェニルピルビン酸、芳香族アミノ酸代謝物
背景・ねらい 紫外線B波(280-315nm)は皮膚に作用し炎症反応を引き起こし、皮膚に障害を与える。本研究は芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)の代謝物である芳香族ピルビン酸(フェニルピルビン酸、ヒドロキシフェニルピルビン酸、インドールピルビン酸)について、紫外線B波照射により引き起こされる皮膚障害に対する防御効果を検証したものである。
成果の内容・特徴
  1. ヘアレスマウスに紫外線B波を1Jずつ、1日目、3日目に照射すると5日目には炎症が誘導され、発赤が生じる(図1)。また、経皮水分蒸散量が上昇し、皮膚のバリア機能が低下するとともに(図2)、皮膚組織に壊死や肥厚が生じる(図3)。
  2. 芳香族ピルビン酸を紫外線B波照射直前に10μmol量塗布すると、インドールピルビン酸塗布では、発赤が抑えられるとともに(図1)、経皮水分蒸散量の上昇が抑えられ(図2)、皮膚組織における壊死や肥厚が抑制される(図3)。
  3. ヒドロキシフェニルピルビン酸塗布では、紫外線B波照射に起因する経皮水分蒸散量の上昇が抑制される(図2)。
  4. フェニルピルビン酸の塗布では、紫外線B波照射に起因する経皮水分蒸散量の上昇や皮膚組織における壊死や肥厚を抑制できない。
成果の活用面・留意点
  1. 芳香族ピルビン酸は、芳香族アミノ酸を基質として特定の乳酸菌や酵母、カビによる発酵や酵素反応により生産できると考えられる。
  2. インドールピルビン酸、ヒドロキシフェニルピルビン酸は紫外線B波照射に起因する炎症反応やバリア機能の障害を抑制する医薬部外品、化粧品としての活用が期待できる。
  3. 芳香族ピルビン酸が紫外線B波によって引き起こされるケラチノサイトの細胞死や炎症応答を抑制できることを培養細胞により確認しており、紫外線の到達を妨げる日焼け止めとはメカニズムが異なる。
  4. 本成果は動物試験により得られたものであり、ヒトに応用する場合は安全性試験や臨床試験を行う必要がある。
図表1 237109-1.jpg
図表2 237109-2.jpg
図表3 237109-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2014/nilgs14_s21.html
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