2010~2012年の国内の養豚場の繁殖指標の推移と指標間の関連

タイトル 2010~2012年の国内の養豚場の繁殖指標の推移と指標間の関連
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2011~2014
研究担当者 山根逸郎
山崎尚則
石関紗代子
発行年度 2014
要約 一貫経営の養豚場(n=68)の2010~2012年の繁殖指標の推移とそれらの関連を調べる。2012年の繁殖成績優良農場群のみ、期間内の繁殖成績の改善がある。生存産子数が多い農場で哺乳中死亡率が高く、哺乳期の子豚の衛生管理の改善が重要である。
キーワード ベンチマーキング、PigINFO、繁殖成績、養豚経営、疫学調査
背景・ねらい 養豚場の年間離乳子豚数/母豚などは、豚群の繁殖成績および哺乳期の生産性を表す重要な指標である。養豚場の生産性評価システム(PigINFO)を活用して、農場(n=68)の繁殖成績および哺乳期の生産性を表す5指標の2010~2012年の推移を解析する。さらに2012年の年間離乳子豚数/母豚の優良な農場(上位25%農場)と通常の農場(中位農場)と劣っている農場(下位25%農場)に区分し、それぞれの農場の成績の推移を調べる。上位25%農場、中位農場、下位25%農場内で2012年の指標間の関連性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 国内養豚場(n=68)において、生産性評価システム(PigINFO)を活用し、繁殖成績および哺乳期の生産性を表す5指標(年間離乳子豚数/母豚、離乳子豚数/腹、分娩腹数、生存産子数/腹、哺乳中死亡率)の2010~2012年の推移を解析する。2012年の年間離乳子豚数/母豚のデータに基づき、上位25%農場、通常農場、下位25%農場に分類する。年間離乳子豚数/母豚、離乳子豚数/腹、生存産子数は上位25%農場において2010年と2012年の間で有意に増加している(図1、2、3)。分娩腹数、哺乳中死亡率は、すべての区分の農場において調査期間内で有意な増減がない(図4)。
  2. 下位25%農場では分娩腹数の増加が年間離乳子豚数/母豚に影響を与えるのに対し、中位以上の農場では分娩腹数と年間離乳子豚数/母豚との間に有意な関連が認められない。中位以上の農場において、分娩腹数の増加により生存産子数の低下が認められる。すべての区分の農場において、生存産子数/腹が増加すると哺乳中死亡率が増加する。
成果の活用面・留意点
  1. 上位25%農場は、継続的な生存産子数の増加により年間離乳子豚数/母豚が向上していると考えられる。生存産子数の増加と哺乳中の死亡率に相関が認められるため、産子数の高い母豚を導入する際には、哺乳中の飼育管理に注意が必要である。
  2. 母豚当たりの年間離乳子豚数を増やすためには、中位以上の農場においては生存産子数の増加と哺乳中死亡率の抑制が重要である。下位25%の農場では、分娩腹数と離乳子豚数/腹の増加が重要である。
  3. PigINFOを活用することにより、農場の繁殖成績の推移の把握が可能となり、劣っている繁殖成績項目の改善を通して収益の向上を図ることが可能になる。
図表1 237142-1.jpg
図表2 237142-2.jpg
図表3 237142-3.jpg
図表4 237142-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2014/niah14_s24.html
カテゴリ 経営管理 繁殖性改善

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