タイトル |
傾斜地カンキツ園における園内道整備のための設計支援システム |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
研究期間 |
2011~2014 |
研究担当者 |
細川雅敏
田中宏明
島崎昌彦
中元陽一
向井章恵
根角博久
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発行年度 |
2014 |
要約 |
傾斜地カンキツ園における園内道の路線配置の検討を、現地測量することなくパソコン上で簡便に行うことができる。デジタルオルソ画像に路線中心線をマウスで描画することにより園内道の延長や勾配などの算出および縦横断図などの作成ができる。
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キーワード |
園内道、設計支援システム、デジタルオルソ画像、傾斜地カンキツ園
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背景・ねらい |
傾斜地カンキツ園における園内道の整備は、運搬、防除、栽培管理作業の軽労・省力化を図る上で極めて有用である。しかし、整備にあたっては、計画・設計段階で園地の地形把握や専門的な計算技術が必要である。そこで、園内道の計画・設計に関し園地測量が不要で、専門的計算技術がなくとも路線配置の検討をパソコン上で簡便に行うことができるシステムを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- システムでは、道路中心点、法(道路側面に発生する斜面)の先端点などの座標は、園地の地形を3次元化することにより求めており園地の測量は不要である。3次元化にあたっては、(a)国土地理院の地理院地図(デジタルオルソ画像(以下、オルソ画像))および基盤地図情報数値標高モデル(5mメッシュ標高データ)、(b)等高線の描かれたオルソ画像のどちらかが必要である。オルソ画像は、いずれもスクリーンショットとして入手する。
- 地形勾配の算出、等高線などの作成機能があるので、あらかじめ園地地形の全体的なイメージを把握した上で、路線配置の検討に着手することができる(図1)。
- 路線は、オルソ画像に対し利用者が道路中心点を順次マウスでクリックすることにより作成する。道路高、法勾配などの入力を指示するフォームが逐次現れるので、必要な数値などを入力することで設計を進める(図2)。
- 設計終了後は、オルソ画像の縮尺に応じた道路および法の先端がオルソ画像上に作図される。法先端は、盛り土(道路が現況地形より上に位置する部分)であれば赤、切り土(道路が現況地形より下)であれば青色で表示される。作成した道路の延長や勾配などは、フォ-ムおよび出力シートに表示される(図3)。
- 道路勾配が15度を超える区間では、結果出力シートのセルが着色され注意を促す。また、谷部などを無理に横断した場合には、長大な法がオルソ画像上に描画される。中心線縦断図では、地表面と道路面とが表示されるので、その結果からも路線配置に誤りがないかが一目で確認できる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 地理院地図のオルソ画像は、国土地理院のホームページからスクリーンショットにより入手する。その際、国土地理院への承認申請の必要はない。なお、当該スクリーンショットを印刷などに供する場合は、出所明示(地理院地図など)が必要である(図3)。
- システムにより、整備計画の具体的イメージを把握することができるので、複数の農家が共同利用する園内道に関し、意見調整、合意形成の面で有用である。
- システムは、ExcelのVBAで作成されており、Excel2007、2010、2013で動作する。
- 園地の微細な起伏、岩などの詳細情報は、システムの計算上は考慮されていない。道路を整備することにより発生する斜面の安定計算機能、整備に要する費用算出機能はない。
- システムの詳細な操作方法は、マニュアル「樹園地の園内道整備のための設計支援システム」に記載する( 2015年1月に作成) 。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/warc/2014/warc14_s09.html
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カテゴリ |
病害虫
傾斜地
栽培技術
省力化
防除
その他のかんきつ
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