肉用牛繁殖経営向けの飼料用サトウキビを主体とするTMR調製・給与技術

タイトル 肉用牛繁殖経営向けの飼料用サトウキビを主体とするTMR調製・給与技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2011~2014
研究担当者 神谷 充
服部育男
境垣内岳雄
樽本祐助
林 義朗
上山繁成
下副田充志
松野愛子
西村直人
吉田広和
発行年度 2014
要約 飼料用サトウキビサイレージの生産費は安く、サイレージを混合した発酵TMRの発酵品質も問題ない。また、黒毛和種繁殖牛や子牛育成期に給与しても繁殖成績や増体成績に影響なく利用することができる。
キーワード 飼料用サトウキビ、発酵TMR、南西諸島、黒毛和種、繁殖経営
背景・ねらい 南西諸島では肉用子牛生産が基幹産業の一つであるが、島嶼部は耕地面積が少なく、購入飼料の価格も割高であるため、経営安定と頭数規模拡大には自給粗飼料の増産が重要な課題となっている。そのため、南西諸島で安定多収な飼料用サトウキビが開発され、肉用牛繁殖経営での利用が進み、TMR原料としても検討されている。
そこで、繁殖牛用と子牛育成用に飼料用サトウキビを主体とした発酵TMRについて、発酵品質や飼養成績に及ぼす影響を明らかにし、新たな飼料の有効活用のための情報とする。
成果の内容・特徴
  1. 株出し年2回刈り収穫体系で生産される飼料用サトウキビは、南西諸島で主要な自給粗飼料であるローズグラスと比較して、TDN含量やNDF含量は同程度、CP含量は低い飼料である。また、飼料用サトウキビと組み合わせるTMR原料として、バガスや糖蜜などのエコフィードが飼料成分調整や発酵品質向上の目的で利用できる(表1)。
  2. 飼料用サトウキビサイレージとエコフィードを組み合わせた繁殖牛用の発酵TMRの発酵品質はV-scoreが60以上で問題はなく、飼料用サトウキビサイレージと輸入乾草などを組み合わせた子牛育成用の発酵TMRの発酵品質は良好である(表2)。
  3. 妊娠末期から人工授精までの間、黒毛和種繁殖牛に粗飼料として発酵TMRを給与したところ、ローズグラスサイレージを給与した慣行区と比較して分娩状況や繁殖成績に影響は認められない(表3)。
  4. 子牛育成期の後半2.5ヵ月間に粗飼料として発酵TMRを飽食条件で給与しても、輸入乾草を飽食条件で給与した慣行区と比較して、増体成績に遜色ない(表3)。
  5. 飼料用サトウキビは10aあたりの生産費が約57,000円であるため、10aあたりの原物収量が14トン程度の場合、原物1kgあたり4円、乾物1kgあたり27円、TDN1kgあたり48円で生産できる。また、TMRを細断型ロールベーラでラップに調製する場合、飼料原料費を除いてTMR1個あたり約2,200円の経費で生産できる(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:肉用牛繁殖経営、TMRセンター
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:南西諸島にTMRとして2,500トン
  3. その他:飼料用サトウキビやエコフィードに関する情報、TMR調製における留意点、TMR設計例、生産費の詳細は、「飼料用サトウキビを活用した発酵TMR調製・給与マニュアル~鹿児島県奄美地域版~」に記載している。
図表1 237301-1.jpg
図表2 237301-2.jpg
図表3 237301-3.jpg
図表4 237301-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2014/14_065.html
カテゴリ 規模拡大 経営管理 さとうきび 飼料用作物 肉牛 繁殖性改善

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