タイトル |
自脱コンバインの手こぎ作業における巻き込まれ事故の重傷化を防ぐ装置 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター |
研究期間 |
2011~2013 |
研究担当者 |
志藤博克
積栄
岡田俊輔
堀尾光弘
山﨑裕文
土師健
冨田宗樹
篠原隆
高橋弘行
白垣龍徳
中村利男
竹内賢一朗
平田晋
阿川陽一
古田東司
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発行年度 |
2014 |
要約 |
手こぎ作業中の手腕部巻き込まれ事故の重傷化を防ぐ装置である。開発装置は、通常作業型と両手操作型とがあり、フィードチェーンの即時停止等の機能をもつ。
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キーワード |
自脱コンバイン、巻き込まれ、手こぎ作業、安全装置
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背景・ねらい |
自脱コンバインでは、エンジン緊急停止装置の装備により、手こぎ作業での手腕部の巻き込まれ事故において通院が必要なケガの発生割合が、未装備の場合の約3割まで低減している。しかし、大型の自脱コンバインではエンジン緊急停止装置を押してもフィードチェーンが停止するまでに1.4mも動くものもあり、入院が必要な重傷の発生割合はさほど減っておらず未装備の場合の約8割までの低減に止まっている。そこで、巻き込まれ事故の重傷化を防ぐ装置を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 開発した装置は、従来通りに手こぎ作業を行う通常作業型(図1)と、フィードチェーンに手腕部が巻き込まれる危険性がない両手操作型(図2)の2方式がある。
- 通常作業型は以下の機能を備える。
1)緊急停止ボタンを操作すると、速やかにフィードチェーンが停止する。フィードチェーンの停止距離は、噛み込み点からこぎ胴前端までの距離よりも短い(表)。 2)上記のフィードチェーンの停止とともに、こぎ胴カバーまたは挟やく桿(フィードチェーンと対になるレール)が開放する。これにより、巻き込まれた手腕部が速やかに脱出可能となる。また、エンジンも停止する。 - 両手操作型は以下の機能を備える。
1)手こぎ操作ハンドル(スイッチ内蔵)を降ろして、手こぎ部に置いたイネを押さえるとともに、操作ボタンを操作している間だけフィードチェーンが駆動する。スイッ チかボタンが切れるとフィードチェーンは速やかに停止する(表)ため、手がフィー ドチェーンに巻き込まれる危険性がない。 2)緊急停止ボタンを押すとエンジンも停止する。 - 上記の両型式ともに以下の機能を備える。 1)緊急停止ボタンは、小柄な女性でも手が届くよう、地上から1.7m以下に配置している。
2)緊急停止ボタンは、不用意なエンジン再起動を防止するため、押すとその状態が保たれる自己保持型を装備している。また、断線等の故障が生じた場合にエンジンがかからないNC(ノーマルクローズ)接点である。 3)手こぎ作業時にフィードチェーンの搬送速度が遅くなる。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:自脱コンバインを使用するすべての農業者
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:自脱コンバインが使用されるすべての地域において、最終的には約2万台/年
- その他:本装置は、2014年度以降、対応可能な新機種から標準装備される予定である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/brain/2014/14_085.html
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カテゴリ |
ぼたん
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