傾斜地の多い中山間地において多目的に利用できる小型栽培管理ビークル

タイトル 傾斜地の多い中山間地において多目的に利用できる小型栽培管理ビークル
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2012~2015
研究担当者 藤岡修
山田祐一
小西達也
藤田耕一
山下晃平
市来秀之
重松健太
松川雅彦
石川昌範
野波和好
発行年度 2015
要約 各種作業機を交換することにより、田植えおよび管理作業など多目的に利用できる農用車両である。また、前後方向および左右方向への耐転倒性が高いため、圃場の出入りや傾斜路面の走行時の安定性が向上する。
キーワード 中山間地、多目的、小型乗用作業車、作業機交換
背景・ねらい 中山間地の水田では、小型の乗用田植機や中山間地域対応自脱型コンバイン(緊プロ開発機)などが一定の普及をみているものの、小区画・非定型圃場では乗用機械体系の普及が進んでいない。また、農作業従事者の高齢化が進み、後継者不足も課題となっている。そこで、傾斜地等の多い中山間地における安全性を確保した水稲作の乗用機械化一貫体系の確立、新規就農時の初期投資の抑制による参入支援を目指して、中山間地域対応の小型栽培管理ビークル(以下、中山間ビークル)を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 開発機は本機と作業機からなり、作業機を交換することにより耕うん、代かき、田植え(5条植)、溝切り、施肥、粒剤散布、除草などの作業ができる水田用の小型乗用作業車である(図1、表1)。
  2. 本機は4条植の小型乗用田植機をベースとし、各種作業機を着脱できる専用ヒッチ(図2)、および田植作業機を駆動するPTO軸を備える。管理作業時に稲の押倒しを防ぐため、本機下部の最低地上高を約400mm確保している。
  3. 最低地上高の確保と低重心化を両立させることにより、開発機(最も重量の重い田植作業機を装着した状態)は安全鑑定基準である静的横転倒角30°を超える安定性を確保している(表1)。
  4. 本機の後車軸を約150mm上下動させることができ、傾斜路面や300mm程度の段差を上る際に運転席を水平に近い状態に維持して走行できる。特に圃場から出る際に本機前方が持ち上がることを抑制でき、農作業時の安全性が向上する。
  5. 田植作業機の作業性能は現行の乗用田植機と同程度である(表2)。また、溝切作業機と粒剤散布機は、現地試験において作業性能や取扱性に問題がないことを確認している。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:主に中山間地の水稲生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:日本全国の水稲生産地域・12,000ha・6,000台/5年(予定)
  3. その他:2016年度以降に市販化の予定。水稲以外の作目への適用性拡大を検討予定。
図表1 237394-1.jpg
図表2 237394-2.jpg
図表3 237394-3.jpg
図表4 237394-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/brain/2015/15_097.html
カテゴリ 病害虫 機械化 傾斜地 栽培技術 市販化 除草 水田 水稲 施肥 中山間地域

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