非熟練者でも容易に直進作業が可能な後付け型の自動操舵装置

タイトル 非熟練者でも容易に直進作業が可能な後付け型の自動操舵装置
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2012~2015
研究担当者 塙圭二
山下貴史
山田祐一
藤岡修
林田淳一
佐々木勇介
発行年度 2015
要約 前方の目標物に向かう直進走行と、前行程のマーカー跡に追従走行する操舵制御機能を有する自動操舵装置である。中小型トラクタにも容易に後付け装着が可能な装置であり、センサに画像装置を使うことで低価格となる。走行の精度は誤差5~10cmである。
キーワード 画像処理、自動操舵、トラクタ、ステアリング
背景・ねらい 芋類や豆類、野菜などの栽培における播種、畝立て、マルチ敷設などの機械作業では、行程を直線的かつ隣接行程と一定間隔を保つことが重要であり、これらの作業ではトラクタの操舵には熟練を要する。既にGNSS(衛星測位システム、GPSなど)を用いてトラクタのハンドルを自動操舵する装置が実用化され、非熟練者でも容易に直進作業が可能となっている。しかし、それらの装置は高価であるため、本体価格が高価な大型トラクタには導入が進みつつあるが、比較的低価格な中小型トラクタへの導入は進んでいない状況にある。そこで画像処理技術を用いることで低価格化を図り、中小型トラクタへの導入が容易となる後付け型の自動操舵装置を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 開発した自動操舵装置は、既存のキャビン付トラクタに画像装置と操舵装置を後付け装着した構成である(図1、表)。画像装置は単眼式のカメラと小型計算機が一体化した市販機器をベースとするもので、キャビンのフロントガラスの内面上部に装着される。操舵装置はメーターパネルのバイザー上に固定され、操作桿に内蔵された小型モーターで駆動されるローラーによって、ハンドル(ステアリングホイール)を外周から回転させる構造である。操作桿を手動で前後に動かすことで、自動操舵機能の起動・停止が切替えられる。なお、車輪式および半装軌式トラクタのどちらにも装着が可能である。
  2. 開発した自動操舵装置は、行程端に設置した専用の目標物(以下、遠目標)に向かって直進走行する機能と、前行程のマーカー跡に追従走行する機能を有する(図2)。遠目標は0.4秒周期で点滅するLEDランプであり、マーカー跡は専用の作業跡マーカーによって形成される深さ7~10cm程度のV字形の溝である。1行程目は遠目標への直進走行で作業を行い、同時に作業跡マーカーによってマーカー跡を形成し、2行程目以降はマーカー跡への追従走行によって連続的に往復作業を行うことができる。
  3. 開発した自動操舵装置によって直線状の畝を形成する作業の精度は、行程の80%以上で行程間隔の偏差が±5cm以内、全行程で±10cm以内とすることが可能である(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:サツマイモやダイズ、野菜などの生産者。特に、播種、畝立て、マルチ敷設などの機械作業において有用。
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:中小型トラクタを使用する生産者。1,200台(発売当初5年間)
  3. その他:2016年度にモニター調査の後、市販予定。
    • 画像装置を取り付けるためにトラクタはキャビン付に限定される。
    • マーカー跡への追従走行では、半径200m程度までの曲線状の行程にも追従可能である。但し、行程間隔の精度は曲率の増加に伴って低下する傾向となる。
    • 暗い夕方や夜間での使用は想定していない。また、昼間でも逆光や霧、影などの影響で画像処理の機能が低下し、走行制御の精度低下や機能停止が発生する場合がある。
図表1 237399-1.jpg
図表2 237399-2.jpg
図表3 237399-3.jpg
図表4 237399-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/brain/2015/15_102.html
カテゴリ 画像処理 GPS 大豆 播種

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