タイトル |
ササゲ遺伝資源の子実品質関連形質の評価とデータベースの公開 |
担当機関 |
(国)国際農林水産業研究センター |
研究期間 |
2011~2015 |
研究担当者 |
村中聡
庄野真理子
高木洋子
妙田貴男
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発行年度 |
2015 |
要約 |
ササゲ育種や研究への遺伝資源の利用の活性化のため、ササゲ遺伝資源の子実品質関連形質(計27形質)について、各形質の多様性の幅や特徴的な形質を有する遺伝資源を明らかにし、検索機能付きデータベースを公開した。
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キーワード |
アフリカ, ササゲ, 品質関連形質, 多様性, データベース
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背景・ねらい |
西アフリカの伝統的なマメ科作物であるササゲ(Vigna unguiculata (L.) Walp)は、農家の現金収入源であるとともに、タンパク質や微量要素の供給源として重要な役割を果たしている。このため近年、従来の育種目標である収量や耐病虫性の向上に加え、子実の品質向上、さらに将来的には消費者の嗜好性および市場のニーズに適した品種開発の重要性が指摘されている。本研究では、このような動きに対応し、ササゲ遺伝資源の子実の外観品質や栄養価に関連する諸形質を評価し、これら形質の多様性や各形質間の関係性を解析する。得られた情報は、検索機能付きデータベース(日・英)として、ササゲ育種家が育種素材を選定する際に利用可能な形で公開する。
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成果の内容・特徴 |
- 遺伝資源240系統の基礎的な農業形質(7形質)および子実品質関連形質(15形質)の評価し、形質間の相関関係を解析した結果(表1)から次のことが示される:
1) タンパク質、鉄、亜鉛の含有量には高い正の相関がある(表1ハイライト部分)、 2) 基礎的農業形質と子実品質関連形質には相関性が見られない事から、収量性や早晩性を維持したまま、品種改良によって子実品質を向上させる可能性が十分にある。 - 上記の遺伝資源240系統から、基礎的な形質の多様性を網羅するように選定した20系統について子実品質関連形質(計27形質)を詳細に分析し、各形質の遺伝的変異を確認した。この結果から、ササゲ子実成分のプロファイルが明らかにでき(表2)、特に次のことが示される:
1) ササゲ独自の窒素−タンパク質換算係数5.45が利用できる(図2)、 2) 育種系統 IT93K-452-1、IT90K-277-2およびIT98K-205-8は、膨満感を引き起こす遊離糖含有量が低い(スタキオース:24.1 - 28.8mg、ラフィノース: 2.5 - 2.9mg)ことに加え、高い収量性や早生性を有する、 3) 鉄・亜鉛等の含有量が高い一方でフィチン酸含有量が低い系統TVu-12802およびTVu-467は、微量要素の吸収効率向上のための育種素材として利用できる。 - 公開データベース(2016年3月末公開予定:http://www.jircas.go.jp/database/edits-cowpea)を通じて、農業形質および子実品質関連形質によるササゲ遺伝資源(計240系統)の複合条件検索が可能となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 複合条件検索可能なデータベースの利用を通じて、西アフリカ各国のササゲ育種家ならびに研究者によって多様な遺伝資源が効果的に育種や研究活動に利用される。
- 確認された子実品質関連形質の遺伝的多様性情報ならびに特徴的な遺伝資源が利用され、各国の消費者嗜好性やマーケットのニーズに対応した高付加価値品種の育成が活性化される。
- 既存の育成系統や地域品種についての分析を進め、データベースの拡充を計る必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2015_b06
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カテゴリ |
育種
遺伝資源
高付加価値
ささげ
データベース
品種
品種開発
品種改良
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