九州西方海域におけるクロマグロ稚魚の分布と海洋環境の関係

タイトル 九州西方海域におけるクロマグロ稚魚の分布と海洋環境の関係
担当機関 (国)水産総合研究センター 中央水産研究所
研究期間 2011~2015
研究担当者 増島雅親
岡崎 誠
発行年度 2015
要約 クロマグロの資源変動機構を明らかにするため稚魚の分布と海洋環境との関係を解析した。稚魚は黒潮及びその北にある暖水の中で採集され、暖水に乗って黒潮より北へ移動し、五島や対馬に回遊することが考えられた。また、クロマグロ稚魚は主に表層水温26度以上の海域に分布していた。これにより、クロマグロ稚魚の生息に適した水温の下限がおよそ26度であると考えられる。
背景・ねらい 太平洋のクロマグロは高級な和食材として日本のみならず国際的に人気があり、近年天然資源の減少が懸念されている。クロマグロは主に北太平洋に広く分布している一方、その産卵場は4-7月の南西諸島周辺及び7-8月の日本海に限られている。南西諸島で産卵された卵は孵化後20日程度で稚魚に成長しながら、黒潮により九州西方へ輸送される。資源変動機構を明らかにするためには仔稚魚期の生態解明が重要であるため、本研究では、南西諸島生まれのクロマグロ稚魚の分布と海洋環境との関係を解析した。
成果の内容・特徴 水産総合研究センター国際水産資源研究所の漁業調査船俊鷹丸により、2011年から2014年の6月から7月にかけて調査を行った。九州西方の東シナ海において多数の調査点を設け、トロール網を用いて海面からおよそ50mの深さまでの範囲に存在する生物を採集した。これらサンプルからマグロ属稚魚を船上で査定し、さらにクロマグロを判別するため陸上でDNA分析を実施した。また、海洋環境のデータも同時に収集している。クロマグロ稚魚は、黒潮という暖かく強い流れの縁で特に採集が多く、また、黒潮の北にある暖水の中でも採集されていた。この暖水域は黒潮から切り離されたものであることがわかっており、このことにより、クロマグロ稚魚の一部はこの暖水に乗って黒潮より北へ移動し、五島や対馬に回遊することが考えられる。また、クロマグロ稚魚は主に表層水温26度以上の海域に分布していたことから、クロマグロ稚魚の生息に適した水温の下限がおよそ26度であると考えることができる。
成果の活用面・留意点 近年資源量の減少が大きな問題になっているクロマグロの稚魚の分布や回遊の仕組みがわかることにより、クロマグロ資源回復の手がかりになると期待されます。
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研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5238&YEAR=2015
カテゴリ 輸送

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