タイトル | アカウニの温度耐性 |
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担当機関 | 山口県水産研究センター |
研究期間 | 2014~2014 |
研究担当者 |
安成 淳 |
発行年度 | 2015 |
要約 | 2014年に山口県日本海側のアカウニの市場取扱量が激減した。この原因を、2013年8月の高水温の影響によるアカウニの大量斃死と推測し、高水温がアカウニの生残に及ぼす影響を明らかにするために、耐水温試験を実施した。試験の結果、アカウニ(殻径約20~70mm)の生存上限温度が31.0℃付近であることがわかった。 |
背景・ねらい | アカウニは、板ウニとして高値で取り引きされる重要種であるが、2014年に山口県日本海側の市場取扱量が激減した(2014年萩地方卸売市場取扱量1,265kg、前年比34.6%)。この原因は、漁業者からの聴き取りなどから、2013年8月の高水温の影響によりアカウニが大量に斃死したためであると推測された。しかし、高水温がアカウニの生残に及ぼす影響に関する知見がほとんどなかったため、アカウニの耐水温試験を行った。 |
成果の内容・特徴 | アカウニの耐水温試験は、殻径または水温区を替えて以下のとおり3回実施した。なお、各水槽区の水槽は30L水槽(水量20L)を使用し、換水率は12時間で100%、1水槽当たりの収容個数は5個とした。 1 試験日:2014年8月12日~13日、殻径:約70mm、水温区:30.0℃、31.0℃、33.0℃ 2 試験日:2014年9月10日~11日、殻径:約70mm、水温区:30.5℃、31.5℃、32.0℃ 3 試験日:2014年9月10日~11日、殻径:約20mm、水温区:30.5℃、31.0℃、31.5℃、32.0℃ 試験の結果、殻径約70mmでは30.0℃区および30.5℃で試験実施時間内に衰弱または斃死した個体は見られなかったが、31.0℃以上の水温区では48時間以内にすべてての個体が斃死した(図)。殻径約20mmでも30.5℃区では試験実施時間内に斃死個体は見られなかったが、31.0℃以上の水温区で斃死個体が出現した(図)。これらの結果から、アカウニの生存上限温度は殻径約20~70mmでは31.0℃付近であると考えられた。 本試験結果と山口県長門市地先(水深0.5~1m)の水温が2013年8月14日から25日までの12日間連続して30℃を超え、特に8月20日には32.0℃に達していたことを併せて考えると、アカウニの生息場所の水温が生存上限温度を超えたため、大量斃死が発生した可能性が高いと考えられた。 |
成果の活用面・留意点 | 水温が31℃を超えるとアカウニの大量斃死が起きやすくなるので注意が必要である。また、高水温時に種苗放流を行う場合は、高水温による影響を受けにくい深場に放流するなどの対策が必要である。 |
図表1 | |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5081&YEAR=2015 |
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