| タイトル | 佐渡島両津湾における海草の生育限界水深と水中の光環境 |
|---|---|
| 担当機関 | (国)水産総合研究センター 日本海区水産研究所 |
| 研究期間 | 2013~2017 |
| 研究担当者 |
坂西芳彦 阿部信一郎 小松輝久 |
| 発行年度 | 2015 |
| 要約 | 佐渡島両津湾において海草の生育限界水深を調べるとともに、水中光の観測を行った。生育するアマモ属3種のうち最深部に生育するタチアマモの生育限界水深(22-24 m)と水中光の減衰から求めた消散係数との関係を解析したところ、両津湾における海草の生育限界水深は光によって制限され、海域の高い光透過性が深所での海草の生育を可能にしていることが明らかになった。 |
| 背景・ねらい | 褐藻コンブ目は中緯度から高緯度にかけての沿岸浅海域で生産力の高い群落を形成することが知られてきたが、近年、低緯度海域でも透明度が高い海域の深所では群落が確認され、気候変動下のレフュジア(高水温からの避難場所)としての機能が期待されることから、注目を集めている。一方、日本海の沿岸でも、他の海域よりも深い水深帯で藻場が形成されることが明らかになってきており、これら深所の藻場も表面付近との水温差からレフュジアとして機能する可能性があり、気候変動下での藻場の保全研究にとって重要な研究対象といえる。本研究では、佐渡島両津湾において、海草の生育限界水深を明らかにするとともに水中の光環境の観測を行い、両者の関係を検討した。 |
| 成果の内容・特徴 | 2011年5月から2013年2月にかけて佐渡島両津湾沿岸で野外調査を行い、スキューバ潜水で深浅方向の海草群落の分布を調べるとともに、生育限界が観察された海域で水中光量子束密度を測定した。6-24 mの水深帯で群落が形成され、浅い方から順にアマモ、スゲアマモ、タチアマモが出現した。周年にわたり測定した水中光量子束密度の減衰から推定した消散係数は0.13であった(図1)。世界中の海草群落に関する生育限界水深と消散係数のデータセットとともに、両津湾沿岸のデータをプロットしたところ、生育限界の実測値は消散係数から求められる予測値(回帰直線上の値)と比較的よく一致した(図2)。回帰直線は海草の生育限界と水中の光環境との強い相関を表していることから、両津湾においても海草の生育限界は、光によって制限されている可能性が高いと推察された。また、両津湾のタチアマモの生育限界が小田和湾のそれに比べ深いことは、両津湾の消散係数が低い(光透過性が高い)ことを反映した結果である。 |
| 成果の活用面・留意点 | 日本海沿岸では、海草の他に大型褐藻も20 mをこえる水深帯に群落を形成することが知られている。これらの深所の藻場は、海表面付近との水温差により気候変動下で予想される高水温を回避し、レフュジアとしての役割を果たす可能性が高い。より現実的な藻場の管理技術を考えた場合、新たな藻場を造成する技術に加え、残存の可能性が高い藻場を保全する技術の開発が必須である。したがって、気候変動の影響下でも残存する可能性が高く、保全の対象となり得る深所の藻場に関する研究は今後益々重要になる。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5083&YEAR=2015 |
| カテゴリ | 管理技術 |
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