寄生虫(クドア・セプテンプンクタータ)に対するリスク管理に必要な技術開発

タイトル 寄生虫(クドア・セプテンプンクタータ)に対するリスク管理に必要な技術開発
担当機関 (国)水産総合研究センター 増養殖研究所
研究期間 2012~2014
研究担当者 西岡豊弘
佐藤 純
米加田 徹
森岡泰三
太田健吾
井上誠章
森広一郎
横山 博
SHIN SANG PHIL
発行年度 2015
要約 ヒラメに寄生する粘液胞子虫(Kudoa septempunctata)に起因する食中毒を防止するため、ヒラメ生産場における感染経路を推定するとともに、本クドアに未感染のヒラメを生産するための感染防除法を開発した。
背景・ねらい 新種のクドア属粘液胞子虫Kudoa septempunctata(以下クドア)に感染した養殖ヒラメの生食による食中毒が発生し大きな問題となった。ヒラメ養殖業界からは、クドア感染に対する対策が強く求められている。そこで、クドアの感染が認められた種苗生産場において感染経路を推定し、クドアの感染防除技術の開発を行った。
成果の内容・特徴 粘液胞子虫の生活環は、宿主から放出された粘液胞子が、交互宿主に取り込まれ、その体内で変態した後、放出された寄生体がヒラメに感染すると考えられている。クドアの感染が認められたヒラメ生産場の用水を3μmフィルターでろ過し、捕捉物をPCRで検査したところ微量のクドア遺伝子が検出されたことから、用水と共に寄生体が水槽内に持ち込まれヒラメに感染すると推察された(図1)。そこで、用水を砂ろ過処理あるいは紫外線照射(46mJ/cm2)処理しヒラメを飼育した結果、無処理の用水(生海水)で飼育した試験区ではクドアの感染が認められたのに対し、用水を砂ろ過あるいは紫外線照射処理した試験区ではクドアの感染が認められず、これらの用水処理が感染防除に有効であることが解った(表1)。また、異なる紫外線量で処理した用水でヒラメを飼育したところ、11mJ/cm2以上の紫外線量でクドアの感染を防除できることが解った。さらに、砂ろ過と紫外線照射処理を併用した用水でヒラメを1kL水槽の実用規模で飼育し、本用水処理がクドアの感染防除に有効であることを実証した(表2)。
成果の活用面・留意点 開発された感染防除法を種苗生産場や養殖場に導入することにより、クドアの感染のないヒラメを安定して生産できる。施設や機器の整備には設備投資が必要で、機器などの運用には定期的なメンテナンスにより能力の維持が必要である。
図表1 237542-1.jpg
図表2 237542-2.jpg
図表3 237542-3.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5141&YEAR=2015
カテゴリ 病害虫 防除

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