神奈川県におけるトラフグ種苗放流効果について

タイトル 神奈川県におけるトラフグ種苗放流効果について
担当機関 神奈川県水産技術センター
研究期間 2007~2015
研究担当者 櫻井繁
発行年度 2015
要約 平成16年から漁業協同組合が自主的な種苗放流を開始し、18年から神奈川県水産技術センターは、(独)水産総合研究センター増養殖研究所で生産された種苗及び当センターで生産した種苗の放流を、さらに同年から(財)神奈川県栽培漁業協会も放流を開始した。これら放流魚の鼻孔隔皮欠損による混入率及び回収率を推定した。
背景・ねらい 平成16年から漁業協同組合が自主的な種苗放流を開始し、18年から神奈川県水産技術センターは、(独)水産総合研究センター増養殖研究所で生産された種苗及び当センターで生産した種苗の放流を、さらに同年から(財)神奈川県栽培漁業協会も放流を開始した。これら放流魚の混入率及び回収率の推定を行った。
成果の内容・特徴 本県のトラフグ種苗放流の効果を検証するため、17年から県下6市場における漁獲物の全長測定や漁獲量調査を実施した。市場調査では、人工種苗に特有とされる鼻孔隔皮欠損により、漁獲物中の放流魚の混入率を調査した。

トラフグの主な水揚港であり、年別の漁獲量データが明らかな長井漁港と佐島漁港における平成17~24年の8年間の漁獲量データを用い、年別の天然魚・放流魚の漁獲尾数及び尾数混入率を推定した。

年別漁獲尾数は17年が1,046尾であったが、18年には359尾まで減少し、19年から徐々に増え始め、19~24年は23年を除いて1,043~4,758尾に増加した。そのうち、放流魚は17年に24尾であったが、18年は116尾、19年は615尾と徐々に増加し、20~24年は1,110~2,776尾であった。天然魚は17年に1,022尾であったが、18年には243尾に減少し、19~24年は353~1,982尾で変動した(表1)。また、放流魚の尾数混入率をみると、16年に放流を開始した翌年は2.3%であったが、18年には32.3%と14倍に増加し、19年は59.0%、20年は78.3%とさらに上昇した。21年は37.0%と一時的に低下したが、24年は86.9%の最高値を記録した(表1)。

3+歳までの回収尾数が得られたのは17~21年の放流群までであった。17年放流群の回収尾数は579尾であったが、18年放流群は721尾、19~21年放流群は1,938~2,893尾となった。回収率は3.2~16.3%と変動し平均は6.8%であった。特に、20年は16.3%の回収率があった。22~24年はまだ回収途中であるため、0.8~3.9%であった(表2)。
成果の活用面・留意点 漁獲量の殆どが放流魚によって占められていることが把握され、種苗放流なしにトラフグ漁業は成り立たないことが明らかになった。種苗の生残を高める放流技術を開発するとともに、適正な放流尾数を明らかにする必要がある。
図表1 237543-1.jpg
図表2 237543-2.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5241&YEAR=2015
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