秋サケ資源利用による商品開発支援事業

タイトル 秋サケ資源利用による商品開発支援事業
担当機関 宮城県水産技術総合センター
研究期間 2012~2014
研究担当者 永木利幸
鈴木貢治
発行年度 2015
要約 東日本大震災後、河川に遡上したサケの有効利用や高付加価値化を図るため、漁協や企業の連携を構築し加工原料化に取り組んだ。この結果、遡上したサケは各事業者によりサケフレークやサケ魚醤油等の原料として新たに利用され、震災からの復興に寄与した。
背景・ねらい 東日本大震災発生当初、海面漁業の復旧までには相当の時間を要し海面でのサケ漁獲量は当面回復せず、その多くは河川に遡上すると想定された。遡上したサケ(以下「ガラサケ」という)は、ミール加工場も被災したため、その処理が困難となり大量の廃棄物の発生が懸念された。このことから、ガラサケの有効利用促進及び付加価値化を目的に、当所が有する知見や加工・分析能力を用い、漁協や企業間の異業種連携を図った。
成果の内容・特徴 1.東日本大震災後、水産加工企業等を訪問して得られたガラサケ利用に関わるニーズを把握し、連携を提案した(表1)。

2.ガラサケがサケフレーク原料に適する鮮度であるかを検討した。内水面漁協のサケふ化場から水産加工企業への搬出を採卵作業直後とすることで、ふ化場の作業がすべて終了する5時間後の搬出よりK値や一般生菌数の上昇を防止することが可能であった(図1)。この結果、ガラサケはサケフレーク原料として利用されることとなり、現在その搬入量は増加している。

3.ガラサケが練り製品原料として適するか検討した。沿海漁協のガラサケで試作した凍結無晒しすり身(ソルビット・リン酸塩添加)を原料とし、水産練り製品製造企業において試験用かまぼこを作製した。強度測定結果から、スケソウ冷凍すり身と混合することで十分利用可能と判断され(図2)、この企業では沿海漁協からガラサケの提供を受けて試作品を製造した。

4.サケ魚醤油の製造は内水面漁協と醤油味噌醸造企業が実施し、これの指導を行った。入手や管理面から、醤油諸味をガラサケに対して30%加え、仕上り塩分20%となるように材料を配合した。現在、サケ魚醤油は内水面漁協と醤油味噌醸造企業がそれぞれ製造・販売を行い(図3)、独特の風味が評価されキムチやラーメンスープ等の業務用にも利用され始めた。また、サケフレークを製造する企業でも自社用にサケ魚醤油の製造を始めた。

5.これらの結果、互いにメリットを享受する連携体制を構築することができた(図4)。
成果の活用面・留意点 今後も生産者と企業の連携体制を充実させ、地元水産物の有効利用を図る。
図表1 237554-1.jpg
図表2 237554-2.jpg
図表3 237554-3.jpg
図表4 237554-4.jpg
図表5 237554-5.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=5123&YEAR=2015
カテゴリ 加工 高付加価値

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