キュウリ黄化えそ病抵抗性を支配するQTLの同定および選抜マーカー

タイトル キュウリ黄化えそ病抵抗性を支配するQTLの同定および選抜マーカー
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2009~2015
研究担当者 杉山充啓
川頭洋一
吹野伸子
吉岡洋輔
下村晃一郎
坂田好輝
奥田充
発行年度 2015
要約 キュウリ系統27028930が有する黄化えそ病抵抗性には3個のQTLが関与する。うち第3染色体に検出されたQTL近傍のDNAマーカーを用いることで、黄化えそ病抵抗性「きゅうり中間母本農7号」と罹病性品種との交雑後代から抵抗性個体を選抜できる。
キーワード キュウリ、黄化えそ病抵抗性、QTL解析、DNAマーカー
背景・ねらい キュウリ黄化えそ病は、メロン黄化えそウイルス(MYSV)を病原とするウイルス病で、ミナミキイロアザミウマにより媒介される。本病に抵抗性を有するキュウリ品種はないため、九州、四国、東海および関東地域のキュウリ産地に深刻な被害を及ぼしており、その発生地域は拡大している。農研機構は、東南アジア原産のキュウリ系統27028930が黄化えそ病に対して中程度の抵抗性を示すことを見いだしたが、本系統が有する黄化えそ病抵抗性の遺伝様式は未解明であった。そこで、キュウリ系統27028930が有する黄化えそ病抵抗性のQTLを同定するとともに、抵抗性個体を選抜できるDNAマーカーを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 黄化えそ病抵抗性キュウリ系統27028930と罹病性「ときわ」との交雑F2世代92個体を供試して、黄化えそ病抵抗性検定で得られた結果(データ省略)をもとにQTL解析を行うと、キュウリ系統27028930由来の黄化えそ病抵抗性に関与する3個のQTLと「ときわ」由来の1個のQTLが検出される(図1)。
  2. キュウリ系統27028930を素材として育成された黄化えそ病抵抗性「きゅうり中間母本農7号」と罹病性「きゅうり中間母本農4号」との交雑F2個体を供試して、黄化えそ病抵抗性検定を行うと、キュウリ系統27028930由来の第3染色体に検出されたQTL(Swf-2)近傍のDNAマーカー(SSR31430)の遺伝子型が「きゅうり中間母本農7号」型ホモである集団の発病評点は他の集団に比べて低く、加えて、第1染色体に検出されたQTL(Swf-1)近傍のDNAマーカー(SSR20705)の遺伝子型が「きゅうり中間母本農7号」型ホモである集団の発病評点が最も低い傾向にある(表1)。
  3. 「きゅうり中間母本農7号」と罹病性品種との交雑後代から黄化えそ病抵抗性個体を選抜するためのDNAマーカーとして、SSR31430近傍のCSN251、SSR7225およびCSN161も利用できる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 「きゅうり中間母本農7号」と同等の抵抗性を持つ個体を選抜するためには、複数の抵抗性関連遺伝子の集積が必要であり、マーカー選抜に加えて抵抗性検定による選抜を合わせて行う必要がある。
  2. SSR20705、SSR31430およびSSR7225の情報は、Ren et al. (2009) PLoS ONE 4:e5795、CSN161およびCSN251の情報は、Fukino et al. (2008) Breed Sci 58:475-483に記載されている。
図表1 237686-1.gif
図表2 237686-2.gif
図表3 237686-3.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2015/vegetea15_s10.html
カテゴリ 黄化えそ病 きゅうり DNAマーカー 抵抗性 抵抗性検定 品種 ミナミキイロアザミウマ

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