年明けどりに向く根こぶ病抵抗性ハクサイF1品種「CR寒次郎」

タイトル 年明けどりに向く根こぶ病抵抗性ハクサイF1品種「CR寒次郎」
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2006~2015
研究担当者 松元哲
畠山勝徳
高下新二
宮崎俊夫
近藤友宏
発行年度 2015
要約 マーカー選抜により2つの根こぶ病抵抗性遺伝子を付与された両親をもつF1品種「CR寒次郎」は、根こぶ病菌病原型グループ1、2、4に抵抗性を有する。「CR寒次郎」は年明けどりの作型に適し、栽培適地では球重が4kg以上になる、黄芯のハクサイである。
キーワード ハクサイ、根こぶ病抵抗性、マーカー選抜、年明けどり
背景・ねらい 根こぶ病はアブラナ科野菜栽培における難防除土壌病害であり、抵抗性品種の育成は総合防除を構成する有力な手段である。ハクサイを加害する根こぶ病菌の病原型は多様であるため、複数の病原型に抵抗性を有する品種が望まれている。これまでマーカー選抜により抵抗性遺伝子を集積した「あきめき」(2013年品種登録)を育成し、ハクサイの主産地である茨城県を中心に普及が進んでいる。しかし「あきめき」の収穫は年内に限られるため、年明けどりに向く抵抗性品種が強く求められている。そこで年明けどりの作型に適し、複数の病原型に抵抗性を有する品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「CR寒次郎」は、年明けどりのハクサイF1品種「寒次郎」の両親(RKG42、Tu3)にCrr1Crr2に由来する2つの抵抗性遺伝子を導入した両親のF1である(図1)。育成した両親は、RKG42とTu3を反復親、2つの抵抗性遺伝子を有する「はくさい中間母本農9号」(以下PL9)を1回親として、6回の連続戻し交雑と自殖により2つの抵抗性遺伝子を固定し、さらに種子親については雄性不稔化した系統である(図1)。各世代でマーカー遺伝子型による選抜を行い、両親と「CR寒次郎」は、PL9と同様に2つの根こぶ病抵抗性遺伝子をホモに有している(図1)。
  2. 「CR寒次郎」は、ハクサイF1品種「CR隆徳」と「SCRひろ黄」の抵抗性の違いにより分類された根こぶ病菌病原型グループ1、2、4に対して抵抗性を有する(表1)。
  3. 「CR寒次郎」の諸特性は「寒次郎」とよく似ており、播種後約85~90日以降に収穫可能な晩生系である。球頭が浅く抱合する砲弾型で、球内は黄色で外観の濃緑色とのコントラストが鮮やかである。栽培適地では球重が4kgを超える大型のハクサイとなるため漬物加工等の契約栽培にも向く(表2、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 「CR寒次郎」の栽培管理は「寒次郎」に準じ、年明けどりのハクサイ栽培普及地域に適する。
  2. 「CR寒次郎」は根こぶ病菌病原型グループ1、2、4に対して抵抗性を有しているが、グループ3には罹病する。また根こぶ病菌は多様であるため、未同定の病原型の存在も予想される。そのため、「CR寒次郎」が有する根こぶ病抵抗性に過度に頼ることなく、総合防除の観点に立った防除が必要である。
  3. 「CR寒次郎」の種子は株式会社日本農林社から販売予定である。
図表1 237694-1.gif
図表2 237694-2.gif
図表3 237694-3.gif
図表4 237694-4.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2015/vegetea15_s02.html
カテゴリ 病害虫 あぶらな 加工 栽培技術 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 はくさい 播種 品種 防除 野菜栽培

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