赤外線サーモグラフィを用いた哺乳子牛の体調管理システム

タイトル 赤外線サーモグラフィを用いた哺乳子牛の体調管理システム
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2011~2015
研究担当者 鈴木亨
石田三佳
吉永有一
宮田正文
発行年度 2015
要約 非接触性・省力性に優れた赤外線サーモグラフィを活用して、個体の識別から体温の自動計測、さらには計測した体温に基づき体調判定を行い、発熱個体の早期発見を実現する。本システムは農場の多頭数飼育・大規模化を支援する技術である。
キーワード 赤外線サーモグラフィ、眼部最高温度、個体識別、環境温度補正、自動計測
背景・ねらい 生産性向上を目的とした農場の多頭数飼育・大規模化に伴い、家畜の死廃・病傷事故件数が増大している。少人数で多数の動物をケアすることによる体調不良個体の見落としもその一因となっている。赤外線サーモグラフィは非接触性であり、かつ省力性にも優れていることから、直腸温計測に替わる動物の健康管理における新たなツールとして有用性が期待されている。赤外線サーモグラフィによる眼部最高温度の経時的な計測は直腸温計測と同様に、発熱を検出できる。そこで、赤外線サーモグラフィを利用して、まずは子牛の眼部最高温度を自動かつ安定的に計測し、発熱個体の早期発見を可能とするシステムを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 哺乳ロボット等の制御装置に対する子牛の接近、後退を赤外線サーモグラフィ等により検出することで、体温の計測開始、終了を制御する。そのため、制御装置内に止まっている間(例えば哺乳中)、子牛の体温を自動的に計測する(図1)。
  2. 可視カメラによる耳標の読み取り等に基づき、群内の個体を識別し、個体ごとにデータファイルを作成・蓄積する。
  3. 哺乳ロボット等の制御装置に止まっている間、赤外線サーモグラフィにより眼部の最高温度を安定して計測することができ、またそれらのデータを経時的に積み重ねていくことで個体ごとに平常温度を把握することができる(図2)。
  4. 眼部の最高温度は体表温度であるため、環境温度の影響を受けるが、子牛がいる環境温度を温度センサーにより常時計測しているため、それらの環境温度の変化に伴う体表温度の影響を補正する機能を備えている。
  5. 体温が平常温度より逸脱した(閾値の設定は自由に変更可能)個体を見つけた場合は、ソフトウエアの画面上等で畜主に注意喚起するアラート機能を有している。
成果の活用面・留意点
  1. 本システムを用いることで、無人で長期にわたる個体ごとの体温の自動かつ安定的な計測が可能となり、畜主は毎日得られる情報をもとに作成された体温のグラフ等を確認することで、感染症等による発熱個体を早期に発見・治療することが可能となる。
  2. 大規模農場の大幅な労力の軽減や作業時間の短縮、幼若動物の病傷事故率の低減に貢献する。
  3. 本システムは哺乳ロボットのみならず、飲水や餌場等の家畜の動きがある程度制限されている状況下であれば体温測定は可能である。
図表1 237738-1.gif
図表2 237738-2.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2015/niah15_s19.html
カテゴリ 管理システム 自動計測 大規模化 ロボット

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