日向灘で漁獲されるブリの年齢構成

タイトル 日向灘で漁獲されるブリの年齢構成
担当機関 宮崎県水産試験場
研究期間 2013~2015
研究担当者 西口政治
甲斐史文
発行年度 2016
要約 1高齢魚主体の日向灘のブリの年齢査定には、鰓蓋骨輪紋よりも脊椎骨輪紋が適していた。 2脊椎骨輪紋による年齢査定により、日向灘で漁獲されたブリの年齢構成を明らかにした。 3全国のブリ0歳魚資源尾数と3年後の日向灘南部におけるブリ漁獲尾数は正の関係にあり、0歳魚資源尾数をみることで、3年後の日向灘南部におけるブリの来遊をある程度予測することが可能である。
背景・ねらい 日向灘に来遊するブリは8kg以上の高齢魚が多く、その年齢構成は明らかになっていない。そこで、年齢査定に用いる年齢形質を選定し、日向灘で漁獲されるブリの年齢構成を明らかにすることで、日向灘におけるブリの来遊予測技術の開発に資する。 
成果の内容・特徴 1 年齢形質の選定
2011年2月~2016年3月までに日向灘で漁獲されたブリの脊椎骨(第17椎体)と鰓蓋骨を使用し、年齢査定を試みた(図1)。その結果、鰓蓋骨では輪紋が不明瞭であり、さらに鰓蓋骨基部~中心部において、輪紋が確認できなかった。これに対し、脊椎骨の輪紋の形成は明瞭であり、5歳までの年齢査定が可能であった。

2 日向灘で漁獲されるブリの年齢構成

 上記期間に集められたブリ175個体の脊椎骨を用いて年齢査定を行い、体重別に振り分けた(表1)。この表を用いて、2002年以降の日向灘南部定置網における体重別漁獲尾数(南郷漁協水揚伝票より大型定置網3ケ統分を集計)から年齢別漁獲尾数を算出したところ、近年の漁獲は、3歳魚を中心に増加していることが明らかとなった(図2)。なお、加齢は国立研究開発法人水産研究・教育機構(以下,水研教育機構)が行う資源評価に合わせて1月1日とした。

3 日向灘南部における年齢別漁獲尾数とブリ資源との関係

 日向灘南部定置網の3歳魚漁獲尾数と水研教育機構が公表する全国のブリ0歳魚資源尾数の関係をみる
と、弱いながらも正の関係が確認された(図3)。このことから、0歳魚資源尾数をみることで、3年後の日向灘南部への来遊をある程度予測できる可能性が示唆された。
成果の活用面・留意点 水産教育機構が公表する0歳魚の資源尾数を指標とした3年後の来遊予測は、定置網を中心に計画的な経営・操業へ寄与することが期待される。ただし、ブリの定置網への入網には、海況との関連が指摘されていることに留意が必要である。 
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6092&YEAR=2016
カテゴリ 経営管理

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