耳石日輪間隔と標識放流再捕データに基づいたカツオ成長式の開発

タイトル 耳石日輪間隔と標識放流再捕データに基づいたカツオ成長式の開発
担当機関 (国研)水産研究・教育機構 国際水産資源研究所
研究期間 2015~2016
研究担当者 清藤秀理
越智大介
井嶋浩貴
芦田拡士
発行年度 2016
要約 国際水研に蓄積されている耳石日輪データと標識放流再捕データに基づき、カツオ成長式について再検討した。その結果、従来の資源評価モデルで推定される成長よりも遅いことが明らかとなり、資源評価モデルで推定される資源量が過大であることが示唆された。この結果は、WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)の資源評価の不確実性を指摘する根拠となった。
背景・ねらい 中西部太平洋のカツオ資源評価にはMultifan-CLと呼ばれる統合モデルが使用されている。カツオの成長はモデル内で体長組成データに基づいて推定されているが、耳石日輪に基づくよりも成長が速く推定されることが指摘されてきた。これは資源量の推定値に大きく影響することが考えられることから、成長式を現実的でかつ高い精度で推定し、資源評価モデルに適用する必要があった。本研究では、国際水研が蓄積してきた耳石日輪データと標識放流再捕データに基づいたカツオ成長式について再検討した。
成果の内容・特徴 (1)1997~2003年に熱帯域~日本近海域で竿釣り、まき網、曳き縄、流網で収集されたカツオ598個体から得られた耳石日輪間隔を使用し、von Bertalanffy、 Richard、Gompertz, Schnuteの4つのモデルにより成長式を検討した。その結果、Schnute以外の推定結果は類似した傾向を示し,標識放流再捕データを追加しても顕著な相違は見られなかった。Schnuteでの推定結果は高齢になるにしたがい,早い成長を示し(図1),このモデルが最良と判断された。このモデルの問題点としてサイズの大きい個体からのサンプル数が少ないことが挙げられた。

(2)本研究で検討した推定結果は,資源評価モデルの推定結果よりも成長が遅いことが示され(図2),産卵資源量の推定値に影響することが示唆された。 
成果の活用面・留意点 (1)中西部太平洋カツオ資源評価モデルに、実測データに基づいた成長式として利用することを期待できる。
(2)推定精度を向上させるためには、体長の大きい個体からの耳石収集とデータ化、他の研究機関(太平洋共同体事務局など)が保有しているデータとの統合が必要である。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6187&YEAR=2016
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