タイトル | 人工種苗生産したシカメガキの性比について |
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担当機関 | 熊本県水産研究センター |
研究期間 | 2014~2015 |
研究担当者 |
永田大生 竹中亨彰 北野健 |
発行年度 | 2016 |
要約 | シカメガキの性決定要因についてはよくわかっていない。そこで、人工種苗生産したシカメガキを用いて成長速度が異なる個体の性比を調査した。その結果、高成長個体は雌の割合が高くなることが明らかとなった。 |
要約(英語) | |
背景・ねらい | マガキCrassostrea gigasにおける性は、遺伝的要因と環境的要因により決定されると報告されている(Guo et al.,1998,Santerre et al.,2013)。一方、クマモト・オイスターとしてアメリカ等ですでにブランド化されているシカメガキCrassostrea sikameaの性がどのような要因で、決定されるかについてはよくわかっていない。そこで、本研究では、シカメガキの性決定要因を明らかにするため人工種苗生産したシカメガキの性比を調査した。 |
成果の内容・特徴 | 試験1:人工種苗生産シカメガキ(平均殻高14.8mm)を用いて、海面中間育成施設で10日間飼育後に直径10、12、15、18mmの篩で4段階の選別を行い、群ごとに生殖腺組織切片を作製し、光学顕微鏡下で観察を行い、性を判定した。その結果、殻高15.0±1.6mm(Mean±S.D.以下同様)群では雌:5%、雄:60%、雌雄の判別がつかない個体:35%、殻高20.7±1.8mm群では、雌:25%、雄:75%、殻高23.1±1.9mm群では雌:85%、雄:15%、殻高24.3±2.4mm群においては、雌:85%、雄:15%であった。この結果から、殻高が大きい群ほど雌の割合が高い傾向を示すことが明らかになった。 試験2:人工種苗生産したシカメガキを、ふ化後225日目に殻高分布の上位0.2%を選抜し、ふ化後382日まで干出しない条件と干出する条件で継続飼育した後、飼育したシカメガキの生殖腺組織切片を作製し、光学顕微鏡下で観察を行い性を判定した。その結果、非干出群、干出群ともに雌の割合が80%以上となり飼育条件にかかわらず種苗生産後に高成長性で選抜した群では、雌の割合が高い傾向を示すことが強く示唆された。 |
成果の活用面・留意点 | 育種を行ううえでの基礎的な成果であり、今後も引き続き研究する必要がある。 |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6160&YEAR=2016 |
カテゴリ | 育種 シカ |