養殖池にサギ類が来なくなる新技術の開発

タイトル 養殖池にサギ類が来なくなる新技術の開発
担当機関 山梨県水産技術センター
研究期間 2014~2015
研究担当者 谷沢 弘将
発行年度 2016
要約 黒色防鳥糸を利用した飛来防止技術の開発を行った。熱センサー式カメラを用いてテグス区と黒色防鳥糸区、及び未設置区と黒色防鳥糸区における魚食性鳥類飛来状況を比較し、飛来防止効果について検討を行った。両試験において、黒色防鳥糸設置により魚食性鳥類の撮影回数は有意に減少した。また、試験期間中、撮影回数が増加する事はなく、長期間効果が持続した。
背景・ねらい 養殖場への魚食性鳥類(以下、鳥)の飛来は、飼育魚の直接的な捕食や病原体の持ち込みによる疾病の発生により、養殖経営状大きな問題となっている。飛来防止策として従来利用されてきた視認しやすいテグスは、鳥にテグスが認識されているため、短期間のうちに忌避効果がなくなると考えられている。そこで本研究では、視認性の低い黒色防鳥糸(以下、黒糸)を用いた飛来防止技術の開発を行った。 
成果の内容・特徴 1 熱センサー式自動撮影カメラをコイ(約100kg)の飼育池(160m2)に設置し飛来状況を撮影した。

2 試験1では、従来の対策方法として視認性の高い黄色テグスと防鳥ネットを用いたテグス区(テグス:池直上にスリットで50cm間隔+防鳥ネット:給餌器周辺30m2)と、その後それらを除去し黒糸を設置した黒糸区(池上面メッシュで2m間隔+側面)の設置効果について検討した。

3 試験1のテグス区は、アオサギ272回、カワウ22回、ダイサギ10回、ゴイサギ2回が撮影されたのに対し、黒糸区ではアオサギが9回であり、撮影回数は有意に減少した(Wilcoxonの順位和検定、p<0.001、図1)。

4 試験2では、未設置区と黒糸区(池上面スリットで2.5m間隔+池側面)の比較を行った。

5 試験2の未設置区はアオサギ513回、ダイサギ568回が撮影されたのに対し、黒糸区はアオサギ5回、ゴイサギ1回であり、撮影回数は有意に少なかった(Wilcoxonの符号付順位和検定、p<0.001、図2)。

6 両試験期間中とも撮影回数は増加せず、サギ類及びカワウの長期間の飛来防止効果が確認された。
成果の活用面・留意点 1 設置が簡易でコストも安い手法で長期間の飛来防止効果が得られることから、小規模な養殖業者でも容易に導入が可能である。

2 黒糸は人間においても視認性が低いため、危険防止のため設置の際は十分注意し、看板を設けるなどの対策が必要である。また、設置者が管理できない場所(自然河川等)においては使用すべきでない。

3 さらなる簡便な設置方法や飼育管理作業が容易な高さや間隔等について、引き続き検討が必要である。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6183&YEAR=2016
カテゴリ 経営管理 コスト

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