大阪湾において8~10月に出現したウシノシタ科稚魚3種の形態と分布

タイトル 大阪湾において8~10月に出現したウシノシタ科稚魚3種の形態と分布
担当機関 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センター
研究期間 2012~2014
研究担当者 大美博昭
佐野雅基
日下部敬之
発行年度 2017
要約 大阪湾で8~10月に出現したウシノシタ科稚魚の形態および分布を調査した。イヌノシタ、アカシタビラメ、ゲンコの3種が採集され、鰭条数や左眼と口の位置関係、有眼側の黒色素胞の分布、眼径により識別が可能であった。イヌノシタは湾中央部の水深20~30 m、アカシタビラメは湾北部岸沿いの水深10~20 m、ゲンコは湾全域の水深10~30 mの広い海域に分布する傾向がみられ、種により分布域が異なった。
背景・ねらい 大阪湾でこれまでに確認されたウシノシタ科魚類は、コウライアカシタビラメ、ゲンコ、アカシタビラメ、イヌノシタ、オオシタビラメ、クロウシノシタの6種があり、このうちコウライアカシタビラメ、アカシタビラメ、イヌノシタの3種は底びき網や刺網において重要漁獲対象種となっている。農林水産統計では、ウシノシタ類の漁獲量は「ひらめ・かれい類」に含まれ、2014年の大阪府における「ひらめ・かれい類」漁獲量は257 tであった。府下の主要漁協の一つにおける2014年のウシノシタ類の漁獲量は81 tで、同じ異体類であるヒラメの2 t、マコガレイの5 t、メイタガレイの23 tを大きく上回っており、「ひらめ・かれい類」の漁獲量中の高い割合を占めていることが推察される。多くの海産魚類では卵から仔稚魚にかけての初期生活期に大量の減耗が発生し、資源の水準を大きく左右すると考えられている。大阪湾におけるウシノシタ科魚類の初期生態の解明は、今後の資源動態を把握していく上で重要な情報となる。大阪湾におけるウシノシタ科の初期生活期についてはアカシタビラメやイヌノシタの浮遊期仔魚の分布について報告があるが、着底以降の稚魚については着底場所などの生態については明らかにされておらず、さらにはウシノシタ科着底稚魚の形態に関しては未解明な部分が多く残されている。 そこで、2012~2014年の3年間、8月から10月に大阪湾で行った調査において採集したウシノシタ科魚類稚魚について、種査定のための外部形態の特徴を明らかにし、種毎の着底場所について検討を行った。
成果の内容・特徴 1)調査ではイヌノシタ、アカシタビラメ、ゲンコの3種のウシノシタ科稚魚が採集された。

2)イヌノシタ稚魚は背鰭、臀鰭鰭条数で他2種と識別され、鰭条数範囲が重なるアカシタビラメとゲンコは左眼と口の位置関係、有眼側の黒色素胞の分布や眼径により識別が可能であった。

3)イヌノシタ稚魚は主に8、9月に湾中央部の水深20~30 mの海域、アカシタビラメ稚魚は主に10月に湾北部岸沿いの水深10~20 mの海域、ゲンコ稚魚は主に10月に湾全域の水深10~30 mの広い海域に分布する傾向がみられ、種により分布域が異なった。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7123&YEAR=2017
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