天皇海山海域における冷水性サンゴ類の脆弱生態系(VME)指標種としての有効性の検証

タイトル 天皇海山海域における冷水性サンゴ類の脆弱生態系(VME)指標種としての有効性の検証
担当機関 (国研)水産研究・教育機構 国際水産資源研究所
研究期間 2017
研究担当者 清田雅史
宮本麻衣
米崎史郎
発行年度 2017
要約 天皇海山における開洋丸海底環境調査と底魚漁業科学オブザーバー調査から得られた底生動物の分類群組成、出現頻度、重量組成、共出現傾向を解析した結果、天皇海山海域はイシサンゴ類とヤギ類が底生生物群集の重要な構成要素であり、これら2分類群は多様な生物群集の存在を表す有効なVME指標であることが確認された。
背景・ねらい 底魚資源の持続的利用と海底の脆弱生態系(VME)の保全を求めた国連決議に従い、各底魚漁業管理機関は指標種を用いた影響評価と管理を進めている。VMEの保全管理は、地域の生物相や海底地形、操業特性を考慮した上で実施すべきだが、限られた情報に基づく予防的措置が先行している。北太平洋漁業委員会(NPFC)では、冷水性サンゴ類の4分類群をVME指標種として暫定的に選定しているが、その妥当性は科学的に検証されていなかった。本研究では、天皇海山海域で採集された底生生物標本に基づき分類群の組成と共出現性を解析し、VME指標種6候補の群集指標性を検証した。
成果の内容・特徴 VME指標種候補の6分類群の中では、ヤギ類(Gorgonians)とイシサンゴ類(Scleractinia)の出現頻度が高く、カイメン類(Porifera)、ウミトサカ類(Alcyonacea)、ツノサンゴ類(Antipatharia)、ヒドロサンゴ類(Stylasterina)は低かった(図1)。共出現解析の結果、底生生物分類群は4つのクラスターに分かれた(図2)。クラスター1に含まれる分類群は高い共出現傾向を示し、ヤギ類とイシサンゴ類は他のクラスターに対しても比較的高い共出現性を示した。アソシエーション分析(図3)では、イシサンゴ類とヤギ類で多数の有効なルールが抽出され、多くの分類群との共出現関係を表した(図4)。以上の結果は、イシサンゴ類とヤギ類が多様な生物群集の存在を示す指標として有効であることを示している。
成果の活用面・留意点 本研究成果は、底生生物群集の特性把握ならびにVME保全のための新しい技術を提供する。本手法は応用して天皇海山におけるVME影響評価を実施し、NPFC科学委員会で発表した。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7220&YEAR=2017
カテゴリ 山羊

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