アクアレオウイルス感染症の診断法の開発と疫学調査

タイトル アクアレオウイルス感染症の診断法の開発と疫学調査
担当機関 (国研)水産研究・教育機構 増養殖研究所
研究期間 2016
研究担当者 河東康彦
西岡豊弘
米加田 徹
坂井貴光
発行年度 2017
要約 ヒラメ稚魚に大量死を引き起こすアクアレオウイルスの分離培養に成功し、全ゲノム配列を決定した。PCRによる迅速診断法、ELISAによるヒラメ血清の検査法を開発し、感染経路の特定に応用している。
背景・ねらい 近年、複数のヒラメ種苗生産施設でアクアレオウイルス感染症が発生し、場合によっては着底前後のヒラメ稚魚がほぼ全滅する大きな被害が出ていた。本疾病の対策を講じるため、ウイルスの分離培養技術の確立、原因ウイルスのゲノム解析および診断法の開発を行った。
成果の内容・特徴
  1. ヒラメ胚由来のHINAE細胞でヒラメのアクアレオウイルスが分離培養できることを明らかにした。ウイルスをトリプシン処理する培養技術により試験管内で効率よくウイルスの特性が評価できるようになった。
  2. 培養ウイルスの全ゲノム解析を実施し、新種のアクアレオウイルスであることを明らかにした。また、得られたゲノム情報を元に、高感度なリアルタイムPCR法を開発し、定量的にウイルス保有状況が調査できるようになった。
  3. 培養ウイルスを用いた血清のELISA検査法を開発し、ヒラメにおけるアクアレオウイルスの感染履歴が調査できようになった。
  4. 培養細胞を用いた試験により、15~25℃ではウイルスの増殖性に大きな変化がないこと、ウイルスが海水中で2週間は感染性を維持し続けるといった特性を明らかにした。
成果の活用面・留意点 本成果を利用して、疫学調査を実施し本疾病は親魚からの垂直感染が主要な感染経路であることが明らかとなりつつある。垂直感染の防止という対策の方向性が明確になった。ウイルスの培養技術が確立できたことから、ウイルスの消毒条件についても検討を進めている。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7162&YEAR=2017
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