育種家系の飼育特性の評価のためのエドワジエラ症の浸漬感染試験条件の決定

タイトル 育種家系の飼育特性の評価のためのエドワジエラ症の浸漬感染試験条件の決定
担当機関 (国研)水産研究・教育機構 増養殖研究所
研究期間 2016~2017
研究担当者 松山知正
坂井貴光
高野倫一
澤山英太郎
岡本裕之
尾崎照遵
嶋田幸典
石川卓
荒木和男
発行年度 2017
要約 育種家系の実用化に向けて、実証段階で作出した家系の飼育特性を評価しておく事が望ましい。本研究は、育種家系の飼育特性評価の一つとして、ヒラメ養殖において最大の魚病被害をもたらしているエドワジエラ症に対する抵抗性の評価系を作出するために、原因菌の浸漬感染濃度条件を明らかにした。
背景・ねらい 作出した育種家系を実用化するためには、成長や疾病抵抗性等の飼育特性を評価する必要がある。現在これまでに作出したレンサ球菌症抵抗性家系の実証試験を行っているが、現場で活用されるためには、他の疾病に対する抵抗性についても評価しておくことが望ましい。本研究は、ヒラメ養殖において最大の被害をもたらしているエドワジエラ症に対する抵抗性を簡便に評価する試験系として、原因菌の浸漬による感染濃度条件を明らかにすることを目的とした。
成果の内容・特徴 エドワジエラ症の原因菌を用いて浸漬感染試験を実施する際の適当な菌濃度を決定した。試験魚には体長9センチのヒラメ市販種苗を用いた。各小型水槽(60×30×36cm、水量36L)に10尾ずつ入れて、4日間馴致した後、培養したエドワジエラの原因菌(Edwardsiella tarda、NUF806株)を様々な濃度1.3×10 7(cfu/mL)、1.3×106(cfu/mL)、1.3×105(cfu/mL)、1.3×10 4(cfu/mL)、0(cfu/mL)となるよう飼育水に添加し、25℃で一時間、浸漬による感染を行った。その後19日間に渡り、感染死亡累積数を測定した。死亡魚は、組織からの菌培養により、感染による死亡であることを確認した。試験期間をおよそ3週間と設定した場合、適切なエドワジエラの菌濃度は、1.3×10 6(cfu/mL)であることが明らかになった。
成果の活用面・留意点 開発した育種種苗の実用化の実証場面において、重大な疾病であるエドワジエラ症に対する抵抗性の評価指標の一つとなる試験条件が明らかになった。これにより簡便に当該疾病に対する飼育特性評価ができるようになったが、試験結果の活用場面において注意すべき点として、他の疾病(例えばレンサ球菌症)に対する選抜(育種)を行った家系は、必ずしも本疾病において抵抗性が認められることが期待できないことに留意する必要がある。場合によっては選抜対象形質以外の抵抗性は低下する場合も論理的に考えられる。その際は、選抜を行った形質に関する遺伝子マーカー座を市販種苗に浸透させる育種手法を活用することによって、実用化の可能性を探索する必要がある。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7139&YEAR=2017
カテゴリ 育種 抵抗性

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