Aspergillus versicolor Im6-50株によるジャガイモ粉状そうか病の発病抑制

タイトル Aspergillus versicolor Im6-50株によるジャガイモ粉状そうか病の発病抑制
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2004~2017
研究担当者 中山尊登
佐山充
堀田光生
島貫忠幸
発行年度 2017
要約 ジャガイモ根部から分離されたAspergillus versicolor Im6-50株を種いも接種して栽培することにより、ジャガイモ粉状そうか病の発病を抑制することができる。本菌はジャガイモ根圏に定着し、子いもや栽培後土壌からPCR法によって検出される。
キーワード ジャガイモ粉状そうか病、Aspergillus versicolor、発病抑制
背景・ねらい ジャガイモ粉状そうか病は、毎年北海道におけるジャガイモ栽培面積の約1割で発生が認められ、重要な生産阻害要因の一つである。本病に対しては、植付け前に殺菌剤の全面土壌処理による防除が行われるが、本研究では殺菌剤に依存しない低環境負荷型の防除技術の確立を目指し、本病に対する発病抑制効果を有する拮抗微生物を探索し、これを用いた生物的防除法の開発を行う。
成果の内容・特徴
  1. 北海道内のジャガイモ栽培ほ場で採取した土壌でジャガイモを栽培後、その根部より分離された糸状菌Im6-50株は、形態的ならびに分子生物学的特徴よりAspergillus versicolorと同定される(図1および2)。
  2. A. versicolor Im6-50株(以下、Im6-50株)は、菌体または胞子の種いも接種処理後に植え付けることにより粉状そうか病の発病を抑制する(表1)。圃場試験において、殺菌剤(フルアジナム水和剤)と比較すると発病抑制効果はやや劣るものの、菌体の1.4×108cfu/ml処理区の発病抑制効果は高い。
  3. Im6-50株処理区のジャガイモ株で形成された子いもならびに栽培後土壌からDNAを抽出し、Im6-50株に対する特異的プライマーを用いたPCR法に供試すると、いずれの試料からもIm6-50株に由来する特異的増幅産物が検出される(図3aおよびb)。このことから、種いもに処理されたIm6-50株は、ジャガイモ根圏に定着し、粉状そうか病菌の根部感染抑制などを通じて、粉状そうか病の発病を抑制するものと推察される。
成果の活用面・留意点
  1. Im6-50株による粉状そうか病発病抑制効果は、「男爵薯」を用いて、北海道内で採取した粉状そうか病菌を対象として確認したものである。
  2. Im6-50株を用いた生物的防除法について引き続き検討を進めており、本菌株は農研機構遺伝資源センターより入手可能である(登録番号:MAFF140114)。
  3. Aspergillus属糸状菌の中にはマイコトキシン生産能を有するものが認められるため、Im6-50株のマイコトキシン生産の有無について確認中である。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/harc/2017/harc17_s12.html
カテゴリ 病害虫 遺伝資源 生物的防除 土壌処理 ばれいしょ 防除

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