支柱栽培したヤムイモ地上部バイオマスの非破壊推定

タイトル 支柱栽培したヤムイモ地上部バイオマスの非破壊推定
担当機関 (国研)国際農林水産業研究センター
研究期間 2016~2020
研究担当者 井関 洸太朗
松本 亮
発行年度 2018
要約 支柱栽培したヤムイモの地上部バイオマスを非破壊的に推定する簡便・安価な手法を開発した。これにより、ヤムイモの生育調査を大幅に省力化することができるだけでなく、農家圃場における生育診断指標として利用できる。
キーワード 西アフリカ, ヤムイモ, バイオマス, 非破壊計測
背景・ねらい 世界のヤムイモの90%以上は西アフリカで栽培され、現地では食料としてだけではなく、換金作物や祭事用として利用される重要作物である。特にホワイトギニアヤム(Dioscorea rotundata)は生産量が最も多く、ナイジェリアにある国際熱帯農業研究所(IITA)を中心に品種改良が行われているが、実用的な品種育成は他の作物に比べて遅れている。この理由の一つとして、ヤムに関する栽培生理学的な知見が少ないことが挙げられる。ヤムは栽植密度が低く、栽培期間も長いために多くの系統を用いた栽培試験には広い圃場と多くの労働力が必要である。さらに、イモによる栄養繁殖であるため、一度に多くの栽培個体を得ることが難しい。これらの理由により破壊調査を伴う研究は避けられる傾向にあり、生長特性などの基本的な情報が十分に得られていない。そこで、市販の安価な分光反射測定装置を用いてヤムの地上部バイオマスを非破壊で推定する手法を開発する。これにより、ヤムイモの生育調査を大幅に省力化することができるだけでなく、農家圃場における生育診断が可能になる。
成果の内容・特徴
  1. 支柱栽培を行うヤム植物体の後方に板を設置し、小型の分光反射測定器(GreenSeeker, Nikon Trimble)を支持棒に沿って植物と平行に走査することで、非破壊で1個体ごとの正規化植生指数(NDVI:植生の量や活性度を表す指数)を取得できる(図1)。
  2. 1回の測定が約30秒程度と迅速な測定が可能である。
  3. 得られたNDVIの値から異なる品種群、および異なる生育段階に対して同一の回帰式(NDVI×297.6+4.7)を用いてヤム地上部乾物重の推定が可能である(R2=0.70)(図2)。
  4. 1個体の乾物重が150gを超える場合や葉の着生が不均一である場合、推定値が過小評価となる傾向があるため、植物体の生育状態に応じてNDVIの他に別途測定した草丈の値および画像解析から算出した横方向からの投影面積を組み込んだ重回帰式(NDVI×120.9+205.9×投影面積-38.4×草丈+40.0)を用いることで、推定精度が向上する(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 非破壊かつ短時間でヤム地上部乾物重の推定ができるため、大規模の遺伝資源集団や交雑集団への適応が可能である。
  2. 非破壊手法であるため、同一の個体について生長量の変化を経時的に追跡することができ、個体別に詳細な生長特性を知ることができる。
  3. 生育中期のNDVIと最終的なイモ収量に相関がみられるため、本手法は収量の早期予測に応用できると期待されるが、NDVIと収量の関係については品種や気象の影響を今後明らかにする必要がある。
オリジナルURL https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2018_b01
研究内容 https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2018_b01
カテゴリ 遺伝資源 省力化 繁殖性改善 品種 品種改良

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