クロマグロ・コシナガ未成魚の簡易形態識別

タイトル クロマグロ・コシナガ未成魚の簡易形態識別
担当機関 山口県水産研究センター
研究期間 2016~2017
研究担当者 内田喜隆
辻俊宏
甲斐嘉晃
発行年度 2018
要約 識別が難しいマグロ類未成魚のうち、クロマグロ・コシナガについては、尾叉長25 - 80cmの範囲において、胸鰭長と口角から胸鰭下縁前端までの長さの比較、又は第2背鰭と尻鰭の色の組み合わせで識別できることを明らかにした。
背景・ねらい クロマグロとコシナガの識別は、胸鰭先端と第2背鰭起部の相対位置が主要なキーとされてきた。しかし、この相対位置は成長に伴って変化するため、サイズによっては識別が難しいという問題点が指摘されてきた。一方、2015年からクロマグロ未成魚漁獲の数量管理が始まり、両種の正確な識別が求められている。そこで本研究では、漁業者や市場関係者が現場で簡易に識別できる形質を見いだすことを目的とした。併せて、キハダについても若干数の標本を得ることが出来たため、検討に加えた。
成果の内容・特徴   主に石川県・京都府・山口県で漁獲されたクロマグロ(13-83cmFL)、コシナガ(15-81cmFL)、キハダ(28-48cmFL)の形態測定および形質状態の比較を行った。
  これまで主要キーとされてきた胸鰭先端と第2背鰭起部の相対位置を比較した場合、約30cmFL未満および約70cmFL以上において両種の値が接近し、識別が困難であった。
  胸鰭長と口角から胸鰭下縁前端までの長さを比較すると、クロマグロでは全てのサイズで胸鰭が明らかに短いが、コシナガでは約25cmFL以上において胸鰭が長いか、ほぼ同長であるため、識別可能であった。
  第2背鰭の色彩はクロマグロで黄色を呈していたが、コシナガではグアニン色素により白色を呈したため、識別可能であった。なお、キハダは尻鰭が黄色を呈しており、尻鰭がグアニン色素で白色を呈する前2種とは明瞭に識別可能であった。
成果の活用面・留意点 「胸鰭長」と「口角から胸鰭下縁前端までの長さ」の比較については、測定器具が無い場合でも指尺(広げた指の間隔)を用いることで簡単に行うことができる。第2背鰭と尻鰭の色彩については、本来白色を呈する種であっても、擦れによって淡黄色に見える場合があり、注意が必要。山口県ホームページで、クロマグロとコシナガ未成魚に絞った識別マニュアルを公開*している。 
*クロマグロ未成魚(よこわ)とコシナガの識別ポイント - 山口県   www.pref.yamaguchi.lg.jp/cmsdata/8/c/4/8c4c586efdf3542b191820be9fd255ee.pdf
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8027&YEAR=2018
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる